狂骨の夢(電子版第3巻) 京極夏彦

電子版1巻、2巻を読み終わるのに2ヶ月もかかったのに、解決編に当たる3巻はあっという間に読み終わりました。 京極堂がどのように憑き物落とし(解決)をするのかワクワクだったし、今までバラバラだった多くの事件のモチーフがどのように繋がるのか興味津々で…

狂骨の夢(電子版第2巻) 京極夏彦

ようやく2巻を読み終わりました ブロ友さんの、読んでも読んでも終わらないよ、という忠告の通りでしたが、京極さんの文章は読みやすく、読んでいる時はすらすら読めました。単に私が読書時間を捻出できなかっただけです。 ここまでの所で、京極堂が憑き物落…

狂骨の夢(電子版第1巻)京極夏彦

百鬼夜行シリーズにひさびさの復帰です。 いくら何でも前のシリーズ過ぎるだろう、とのツッコミはおありでしようけど、この本の分厚さに恐れをなして、シリーズから離れてしまったんです(^^; でも、いつかシリーズに復帰したいとずっと思っていて、電子図書…

いけない 道尾秀介

アンソロジー蝦蟇倉市事件1に収録の「弓投げの崖を見てはいけない」を元にした一編から構想を膨らませたミステリです。 各編とも、ラストに載っている写真で真相が分かるようになっています…と言いたいところですが、自分がとんちきなせいか、よく分からないの…

2019 ベスト本

今年はというかいつもですが、まるで本が読めていません。そろそろ読書ブログという看板を下ろさなきゃいけないかな…というくらいです。 ベスト10は無理なので、ベスト5です。 1 カササギ殺人事件 アンソニー・ホロヴィッツ 昨年のベスト10を賑わわせた…

屍人荘の殺人  監督 木村ひさし

久し振りに劇場で映画を観ました。 原作がすごく面白かったし、キャストも好きな人達で、事前に宣伝番組も観て気分も盛り上がったので、観ることにしました。 まず神木君が葉村君にぴたりはまってました。神木君は自分の役柄がまだ今イチつかめない時に、剣…

シーソーモンスター  伊坂幸太郎

「シーソーモンスター」と「スピンモンスター」の中編二本立てです。 共通なのは、世の中には「海族と山族」がいて、本人は知らなくても因縁の対立をするようになっているという設定。 あと共通の登場人物もいます。でも、ストーリー自体に直接の繋がりはあ…

Q:A Night At The Kabuki  野田秀樹

小倉に、上川隆也さん、松たか子さん、志尊淳さん、広瀬ずずさんの4人がメインキャストの、野田秀樹さん脚本演出の「Q:A Night At The Kabuki」の舞台を見に行きました。 タイトルから分かるようにQueenの「オペラ座の夜」から取っていて、舞台の中でアルバムの…

dele3  本多孝好

ドラマでは何事もないように戻って来た祐太郎だけど、やっぱり妹の事件についてのわだかまりは、原作では簡単には解けません。祐太郎の方も、圭司の方も。 本作は、妹の事件に大きく関わった夏目という人物に迫る「リターン・ジャーニー」と、今まで通りに戻…

魔眼の匣の殺人  今村昌弘

前作で集団感染テロ事件に巻きこまれた葉村と剣崎は、それに関係する班目機関という組織の研究施設を訪れることにした。そこはかつて超能力の研究をしていたらしい。 その研究施設は真雁という地区にあることから「魔眼の匣」と呼ばれ、そこに住む予言者サキ…

ノーサイド・ゲーム  池井戸潤

スポーツ物も企業物も苦手で原作を読むか悩んでいたけど、ドラマの第1回を見て、2回目を待ちきれずに読み始め、遅読の自分にも関わらず2日で読み終わりました。 トキワ自動車の経営戦略室次長の君嶋は、上司の滝川が主導する巨額買収案件に異を唱えた後に…

白骨の語り部 作家六波羅一輝の推理  鯨統一郎

主演の俳優さんが好きだったのでドラマをまず見て、六波羅一輝のキャラに惚れ込んだのですが、ドラマでいくつか納得できないところもあって、原作で確認してみようと思って読み始めました。 六波羅一輝は東大出身ですが、作家になりたくて他の大学に入り直し…

カササギ殺人事件  アンソニー・ホロヴィッツ

作者は女王陛下のスパイアレックスシリーズや、ホームズの公式続編を書いていて名前は前から知ってました。YA向け以外で書いた初のオリジナルミステリだそうで、それにしてもいきなりすごい作品を書いたものです。 上巻はまるまるミステリ作家アラン・コン…

ヤフブロ終了って…

実はこういう憂き目に遭うのは2度目である。 コンバート先を世話してくれるのは前回の経験(十年前)で分かってたので、焦りはしなかったけれど、移行先にいくつか候補があるということは、ブロ友さんもばらばらになってしまう可能性があるということになる…

本と鍵の季節  米澤穂信

図書委員会に所属している、高2の堀川次郎と松倉詩門が、身の回りの謎を解いていく連作短編ミステリです。 堀川は真面目に仕事をする、能ある鷹は爪を隠すタイプで、松倉は委員会の仕事はさぼり気味、要領が良く見た目もイケメン、切れ者の印象です。 よくあ…

2018年のマイベスト

あけましておめでとうございます 今回は新年になってからのUPになりました。いつもは紅白をバックに記事を書いてたのですが。 昨年は大して海外物を読んでないので、国内海外一緒にしました。 1 肺都 エドワード・ケアリー 大ファンになったシリーズの最…

ミステリー・アリーナ  深水黎一郎

2016年のミステリベスト10を賑わわしたこの作品、どうやら今年の読書はこの本がラストになりそうです。(今日明日はもう諦めてる) ミステリ研究会OBが毎年持ち回りで出題し、みんなでそれを推理するイベントのために、参加者達は鞠子の屋敷に集まり…

愛なき世界  三浦しをん

キャッチコピーを読んで、有川さんの『植物図鑑』みたいな感じかな?と思って読み始めたら、だいぶ違ってました。こないだまで放送されてたドラマ「僕らは奇跡でできている」の世界観に近かったです。T大大学院で植物の研究をしている本村紗英は、ひたすら…

ウツボカズラの甘い息  柚木裕子

初読みの柚月さん。先日再放送があった弁護士佐方シリーズ「最後の証人」を観たのですが、佐方のキャラが好きでした。 本作は嫌な話なのですが、やはりキャラが立ってる刑事のコンビ秦と中川のおかげで嫌さが軽減されてます。特に、中川は女性刑事ですが、最…

蛮幽鬼 ゲキ×シネ

WOWOWで先日の土曜に放送された「蛮幽鬼」。その日博多座で観た「魔界転生」の興奮も覚めやらぬまま、観始めました。観ていたら深夜になってしまったため、二回に分けて観ました。ネタバレもありますのでご注意ください。 モンテ・クリスト伯を下敷きに…

「魔界転生」観劇

テレ東の「執事西園寺の名推理」で、前から何となく好感を持ってた上川隆也さんのファンになり、「遺留捜査」や過去のドラマなど観るうちに大ファンに。 このタイミングで博多座に来た舞台「魔界転生」を観劇してきました。10月6日から28日までほぼ毎日…

むかしのはなし  三浦しをん

有名な昔話を下敷きに、「いま、『昔話』が生まれるとしたら」というコンセプトで書かれた連作短編集です。 「ラブレス」(かぐや姫) 多くの貴公子からの求婚を無理難題を突きつけて退け、月に帰って行ったかぐや姫を、なんと人気ホストになぞらえて書かれ…

第四の扉  ポール・アルテ

語り手のジェイムズと、ジョン、ヘンリーの三人は、家も近所で、家族ぐるみの付き合いもある親友同士です。 ジョンの母が、家の中で不審死するという事件が昔にあり、家には幽霊が出るという噂も。ジョンの父ヴィクターは妻のことが忘れられず、降霊術のでき…

DESTINY 鎌倉物語  監督 山崎貴

鎌倉は私にとって魅力的な場所で、特集していた雑誌を買ったこともありますが、問題は坂道の多さです。散策するのに乗り物ばかり乗るのも何だかなあ…と思って、いまだに行けずにいます。 この映画の鎌倉は、河童などの妖怪が普通に人間と共存している、まる…

猫ミス!

先日読んだ「dele」のタマさんがかわいいので、猫の本が読みたくなって、たまたま見つけたこの猫アンソロジーを手に取りました。ミステリなので、ただ可愛い猫を愛でるだけの話ではありません。可愛いのもあれば怖いのもあるし、切ないのもあります。 「…

dele2  本多孝好

同じシリーズの次の巻が出ていても、続けて読むことはめったにないのですが、これは、二人のその後が気になって仕方なくてすぐに手に取りました。 坂上圭司が運営している「dele.LIFE」は、死後誰にも見られたくないデータを、本人に代わって削除す…

dele  本多孝好

坂上圭司が運営している会社、「dele.LIFE」は、死後誰にも見られたくないデータを、本人に代わって削除する仕事を請け負っています。真柴祐太郎はそこのたった一人の所員。現在放送中のドラマでは、圭司を山田孝之くん、祐太郎を菅田将暉くんが演…

ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~ 監督 滝田洋二郎

佐々木(二宮和也)は、死を前にした人間が最期に望む思い出の料理を作ることを生業にする料理人です。 しかし、彼の元に、あるレシピを探してほしいという依頼が舞い込みます。 それは、戦時中の満州で、満漢全席を超えるフルコースのレシピを作成すること…

スケルトン・キー  道尾秀介

久し振りの黒ミッチー。抜群のリーダビリティーでした。 主人公の錠也は、子供の頃母を殺され、父親はおらず養護施設で育ちました。 自分が他の人間とは違い、恐怖を感じず、危険なことや不道徳なことを平気でできることに気づいており、それがエスカレート…

無貌の神  恒川光太郎

恒川さんの物語は、現実とは違う異世界なのですが、読み始めるとすぐにその世界に入っていけるのが不思議です。その独特の雰囲気は恒川さんにしか出せないものだなあと感じます。 「無貌の神」 深い森の中の小さな集落の人々は、顔のない神を信仰していまし…