夏期限定トロピカルパフェ事件  米澤穂信

イメージ 1 病院の長い待ち時間に一気読みしましたw 
春期限定いちごタルト事件」は、日常の中にあるちょっとした事件を解決するというかわいらしい話でした。でも、「復讐心」という狼を抱えた小佐内さんと、「智恵者」という狐を抱えた小鳩君には、何かしら不穏なものが感じられました。二人はそうした自分を嫌い、何とかして「小市民」になろうとする努力を重ねますが、なかなかうまく行きません。
夏期限定トロピカルパフェ事件」も様々なスイーツが出てきます。出だしは「シャルロットのグレープフルーツのせ」を小鳩君が2個食べてしまったことを小佐内さんが見破るかわいい事件から始まります。そのため、小鳩君は<小佐内スイーツセレクション・夏>に合わせ、夏休みにスイーツショップ巡りをさせられることになります。これに載っているスイーツがどれもおいしそうなんです…w季節柄桃が多いみたいですね。

 中心になる事件は、ドラッグをやっているグループから知り合いを抜けさせようとしたことにからんで、小佐内さんがグループに誘拐されてしまうというものです。
 小鳩君は小佐内さんから来たメールと、<小佐内スイーツセレクション・夏>の地図をヒントに監禁されている場所をつきとめます。そして無事彼女を救出するのですが…。
 ここまではよくある話と言ってもいいです。でも、このあとの展開が…。スイーツだと思っていたら、とんでもなくビターだった、そんな感じです。
 小鳩君の狐に比べ、彼女の狼は、小市民の殻をかぶるには凶暴すぎたのですね…。装丁のかわいらしさと軽い語り口にだまされると痛い目にあいます^^;

小市民になるために「互恵関係」にある二人の微妙な間柄は、「春期限定…」から読んだ方が分かりやすいと思います。
でもまだ「夏期限定」だから、このビターな展開のまま終わらないはずです。次は「秋期限定マロングラッセ事件」と名前も決まっているようなので、今後2人がどうなるのか楽しみです。