ジェネラル・ルージュの凱旋  海堂尊 &映画

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急に映画を見に行くことになり、あわてて原作を読み始めたのですが、真ん中あたりまで読んで時間切れに。でも、背景をつかんでいたのでストーリーに入りやすく、しかも肝心のところは映画で楽しめたのでよかったです^^

東城大学医学部付属病院のリスクマネジメント委員長である田口の元に、救命救急センター部長である速水晃一が特定の業者と癒着しているという怪文書が届きます。速水は、「ジェネラル・ルージュ」の異名をとり、ドクターヘリの導入が彼の悲願でした。

速水のキャラがユニークですね~。いつもチュッパチャップスをなめていて、くだけた物言い、有能で高潔、独善的。でも、その独善的な部分は傲慢なのではなく、人の命を助けたいがためのものなのですが。
彼がなぜ「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれているかは原作では半ばあたりに出てきます。
映画の堺雅人さんは速水にぴったりでした^^速水の子どもっぽい部分や、ジェネラル(将軍)と呼ばれる指揮官としての有能さをリアルに表現していたと思います。自室にいる時はほとんど口にチュッパチャップスを入れているのでしゃべりにくそうでした^^;

田口と速水は原作では大学同期で麻雀友達です。田口のことを行灯とバカにしながら、心のどこかで彼を認めてもいるようです。映画では友達ではなく、田口のことを卑下していたのが、ある出来事をきっかけに医師として見直すようになります。このあたりの展開うまいですね。原作に比べ、さらにぼ~っと度がUPしている田口ですが、さりげなく存在感あるように思いました。

原作と大きく違うのは殺人が起きるかどうかです。映画では速水と癒着していたと言われる業者の男が殺されます。でもこの展開に全く違和感ないので、映画のあと原作を読み終わって、あれ~?と思いました^^;怪文書を出したのは誰か、なぜそれは出されたのか?という謎だけで最後まで来るんですね。

白鳥の役どころもずいぶんと違います。原作では今回の白鳥は別にいなくても特に問題ない気がします^^;でも、映画では速水に比べて出番は少ないものの、最後にドクターヘリの導入に大きな役割を果たします。速水と対峙する沼田助教授が自分のところに送られてきた怪文書をどうしたのかという点が原作と違うのですが、映画の沼田が厚生労働省に文書を転送したために白鳥が乗り込んで来た、という方が流れとして面白いと思いました。
沼田助教授は、映画では高嶋政伸さんでしたが、嫌な役を生き生きと嬉しそうに演じていました(笑)

原作にもある、ラスト近くの大事故による救急センターのシーンは壮絶です。あの戦場のような場所で、冷静にしかも的確にトリアージ(治療の優先順位を決めること)や治療を行う医師たちの責任の重さ…。生命に関わる仕事をされている人々に改めて感謝の気持ちを抱きました。映画で、速水の部屋の倉庫から次々に簡易ストレッチャーが出されるところで、彼がどれだけ人の命を救うことに全てを賭けているかを感じました。
「俺を裁くことができるのは、俺の目の前に横たわる、患者という現実だけだ」
前に速水が言った、彼の行動を裏打ちする信念が感じられる言葉を思い出します。
そしてついにドクターヘリがヘリポートに到着するシーンの、速水の万感の思いがこもった表情にグッと来てしまいました;;原作ではかなうことのない夢でしたが…。
実際に医療現場が抱えている資金面の問題というのは重大なのだと思います。海堂さんはそこのところを追求したかったのでしょうね。

それにしてもチュッパチャップス…(笑)これほど取り上げてもらえば、会社の人も大満足でしょう。医療業者も飴まで記録につけて細かいですね^^;
ラストの速水と花房のシーンは素敵でした^^原作では如月に心惹かれるところもありましたが、映画では如月には見向きもしません。

とにかく速水=堺雅人さん、映画はこれにつきますね^^またメインテーマに外れる登場人物やエピソードを排し、速水周辺とドクターヘリの導入だけに視点を絞った脚本に拍手です^^本当に面白い映画でした。
原作も良かったと思いますが、私はこのシリーズに出てくる大げさな通り名や芝居がかった表現がちょっと苦手なんですよね…^^;
でも、速水先生は大好きなので、「ジェネラル・ルージュの伝説」もぜひ読まなくては!
あと「ひかりの剣」も。
記事は映画メインになってしまいましたが、せっかく本を読んだので本棚の方に入れておきます^^



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あら、ライバルですね^^私も速水にはガッツリやられました。だからこそ映画は見れないなぁとも^^;頭の中での速水像が崩れてしまいそうで(崩れませんでした?)。『伝説』はお先に読ませていただきましたが、良かったですよ~^^若かりし速水もやはりいい男でした。本の感想ですがTBさせて下さいね。 削除

2009/3/22(日) 午前 0:26 紅子 返信する
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>紅子さん
ライバルでしたか…w でも花房さんにとられちゃいましたね^^;
私は読み始めたときすでに堺さんのイメージで読んでたので問題なかったです。それに、堺さんは前から好きな役者さんだったので♪ 削除

2009/3/22(日) 午後 0:38 ねこりん 返信する
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ほぉ~、映画は観てないですがやっぱ原作と違うところも多々^^。如月には見向きもしなかったんですね!あそこはちょっと疑問符だったので、映画のがなんかいいような気がします(苦笑)ルージュのシーンとかがどんなだったのかとても気になりますw本の感想ですがTBさせていただきますね^^ 削除

2009/3/23(月) 午前 1:43 チルネコ 返信する
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>チルネコさん
映画館で映画を見ていると、少し冗長なところがあると眠くなってしまうことが多いのですが、これは、最後まで目パッチリでしたw
原作とはかなり違いましたね~。でも、原作のテーマはしっかりと押さえていたし、速水先生は最高だったので大満足です^^
ルージュのシーンからいっても、花房さんしかあり得ないですよねw 削除

2009/3/23(月) 午後 8:32 ねこりん 返信する
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映画の脚本はなかなか上手くできていたと思います。
前回の【チーム・バチスタ】は田口&白鳥がどうにも納得できなくて
今回は観に行かないつもりでしたが、評判が良かったので行ってみました。^^;
確かに、コレは速水=堺さんがとても良くて納得でした♪ 削除

2009/3/24(火) 午後 1:14 [ エンジェル ] 返信する
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エンジェルさん
田口&白鳥は前作でどんな感じかよく分かったので、速水&田口、速水&白鳥の絡みが私は気になりましたw
ラストの、速水が田口にしてやられるシーンはよかったです^^ 削除

2009/3/24(火) 午後 9:22 ねこりん 返信する
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ねこりんさん>原作ではアラフォー世代の花房さんに軍配があがり、「そー、そー、女は若さだけじゃないんだよ♪」と溜飲を下げました(*^,^*)そかー、映画ではそういうバトルはなかったんですね^^
私もTBさせて下さいね♪ 削除

2009/4/3(金) 午後 2:01 fuwachibiprin 返信する
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>ふわちびぷりんさん
原作の、速水が如月に惹かれるところは何か納得行かなかったので、映画の方が良かったです。
原作では速水と花房の関わりが少ないように感じたけど、映画では花房が速水のことをよく見ているんだなあと思いました^^ 削除

2009/4/3(金) 午後 10:33 ねこりん 返信する
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映画も面白そうですね~
まさか、殺人事件が起こるとは(^^;)
堺雅人さんは好きな俳優さんです。でもチュッパチャップスをなめながらの台詞は大変そうですね・・・
こちらからもトラバさせてください。 削除

2009/5/11(月) 午後 7:20 [ とくだ ] 返信する
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>プラチナさん
映画の方がよりドラマティックでした。殺人事件も浮かずにうまく組み込まれていたように思います。
堺さんはチュッパチャップスのどの味が飽きないか研究したようですよw 削除

2009/5/12(火) 午後 8:29 ねこりん 返信する