扉は閉ざされたまま  石持浅海

イメージ 1 前に年末ベスト10で話題になった作品ですが未読でした。先日ドラマ化されたものをDVDで見たので、ようやく私設図書館から陽の目を見ました^^;
大学のサークルの元メンバーたちが、久しぶりに集まります。場所はメンバーの1人安東の兄の持ち家である高級ペンションです。そこで、伏見は後輩の新山を亡きものにする計画殺人を実行に移します。伏見は外部から入室できないように鍵とドアストッパーをかけ、密室を作ります。伏見はなぜかできるだけ新山の発見を遅らせようとして、新山は寝ているとみんなに思いこませようとします。
しかしメンバーの妹であり、伏見と微妙な関係だった優佳が、現場を見ることなく、みんなから聞いた話だけで推理を組み立て、事件の真相をつかんでいきます。
扉を開けさせまいとする伏見と、新山の様子に疑問を持った優佳の息詰まる対決が見ものです。

なぜ伏見はそれほど発見までの時間にこだわっているのか?それが本書の鍵です。
みんなの話が扉を開ける方向に近づくたびに、伏見がうまく誘導して「まあ、おいとこうか」という気持ちにさせるのですが、そのさりげない話術がすごいです。それに引っかからない優佳はその上を行ってるのですが…。
また、場所が超高級ペンションであることも、扉や窓を壊して入ることを躊躇させる要因になるなど、うまい作りだな~と思います。
同窓会の和気あいあいとした様子を描きながら、その中で進行する冷徹なまでの頭脳戦は、さすがベスト3入りの作品だなと感じました。

ラストがなんとドラマとは違ってました。主役二人の性格付けや、犯罪の動機など重要な部分が違っていたので、ラストが違うのもうなずけます。動機については、原作はやや弱い気がしていたので、ドラマはそれを補強した形ですね。ラストはどっちがいいんでしょう…。ドラマの方はTV向けラストだな、とは思いましたが、私はドラマの方が好きです。





この方のは一作読んだのですが、ちょっと苦手なタイプでしたー^^;でも、やっぱり一作ではわからないのでまた読んでみようかと思ってもいますw 削除

2008/9/23(火) 午前 2:15 チルネコ 返信する
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そうですね~。犯人にも探偵役にも共感できない感じですね^^;
ドラマの設定が変えられているのもそういう所があるからでしょう。
同じ探偵役が出る作品もあるそうですが、全然違う作品を読んでみた方が、この作家さんのことがよくわかるかもですね。 削除

2008/9/23(火) 午前 10:10 ねこりん 返信する
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おもしろそうですね!
石持さんのもので文庫化されたものは、これ以外は読んでいます。あたりはずれがありそうですが、私はけっこう文体が好きみたいです。
これは、特に評価が高そうなので、読むのが楽しみです! 削除

2008/9/23(火) 午後 4:30 [ とくだ ] 返信する
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最後まで緊張感のとぎれない作品です。ですが、好き嫌いはありそうですね。特にラストは評価が分かれそうな気がします。 削除

2008/9/23(火) 午後 7:58 ねこりん 返信する
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DVDはレンタルされているのかしら?興味あります。
ええ、動機が今一つ説得性に欠けていましたよね。多分、動機より時間稼ぎの意味と謎を描きたい作品だったのかもと思いました。
トラバ返しさせてくださいね♪ 削除

2008/11/17(月) 午前 8:50 金平糖 返信する
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金平糖さん
うち(田舎です)の近くのレンタル店にもあったので、きっとあると思います^^
ご覧になったらまた感想を聞かせて下さいね。 削除

2008/11/17(月) 午後 7:56 ねこりん 返信する