ジャージの二人  監督 中村義洋

前から見るのを楽しみにしていて、やっと見る余裕ができて意気込んでレンタル店に行ったのに、置いてない;;3軒目でやっと発見しました。堺雅人さん主演なのに…。せめて一本でいいから置いてほしいです^^;「ピューと吹く!ジャガー」とかあるのになあ…(要潤さんごめんなさい、要さんも好きですw)

北軽井沢の山荘で、それぞれ問題を抱えつつ、親子(54才&32才)がゆるゆると過ごす日々を描いています。

原作を先に読んで、何とも言えないスローな雰囲気を楽しみましたが、映像で見るとさらに微妙な間が楽しめます。
2人がジャージを着るところで映像がスローになり、まるでギャング映画の主人公がトレンチコートを着るかのような雰囲気をかもし出しているのには笑いましたw
最後まで引っ張る「和小」の読み方についてのエピソードもいい味出してますね^^

父親の口癖である「なんかこう…」のあとに続く「甘い物が」を聞いて、主人公がアルフォートコアラのマーチなど実名を挙げて行くのですが、普通なら「オヤジ、はっきりしろよ!」とか言いそうなものですが、ジャイアントカプリコに行き着くまで、のんびりと会話してる感じがいいですね^^

最初にスーパーで安売りのトマトを山のように買ったのに、ご近所の人達が次から次へとトマトをくれて、毎日トマトをどうやって食べるか考えるとことか、いかにも田舎らしいエピソードでほのぼのします^^緑に囲まれた中での真っ赤なトマトが色鮮やかです。

山荘に人を呼ぼうと、山荘の良い点を挙げようとするのですが、悪い点(部屋に虫が出る、携帯が通じないetc…)はいろいろ出てくるのに、良い点は「涼しい」と書いたまま手がずっと止まってるのがおかしいですw
携帯は、一面キャベツ畑に囲まれた道(原作ではレタス畑)の一カ所でしか3本アンテナが立たず、地元の学生はその穴場をちゃんと知っていて集まってきます。主人公は最初、学生が何で手を高々と挙げているのか分からず、自分に挨拶したのかと思って手を振り返してしまいます^^;
このキャベツ畑の場所がほんとに広々として周囲に何もなく、気持ちが良さそうなところなんですよね~。

そんなのんびりとした日常なのに、主人公の妻(水野美紀さん)は浮気していて、父親は3度目の結婚が赤信号。3度目の妻との間の娘は友達がいないらしく、泊まりに来た父の友達(ダンカンさん)まで奥さんと危ないようです。
「ジャージの3人」のパートで、妻が一緒に山荘にやって来るのですが、スポーツブランド物のジャージ、浮気相手と携帯で連絡を取りたそうな様子で、浮いてます。主人公が電波の通じる場所をわざと教えないのも無理もないですね^^;手を絡ませて来た妻を振りほどいたのは、事件らしい事件のないこの映画でのささやかな事件という気がしました。

大げさではなくさりげなくお互いを気づかったり、言葉にしなくても一緒にいることで何となく癒されたりする親子の雰囲気を、鮎川さんと堺さんがうまく演じていると思いました。
原作を読んで、その何もなさ加減が好きだった方は、ぜひ映画も見てみて下さい^^