道尾さんの特集

遅ればせながら、「野性時代3月号」の道尾さん特集を読みました。
題して「道尾秀介に気をつけろ!」

それにしてもAmazonの本来るの速いこと…。地方でお急ぎ便でなかったにも関わらず、注文した2日後には来てました。

まずロングインタビュー。全身黒でコーディネートした道尾さんは、カラスと一緒に映っています。たぶん剥製か作り物でしょうけど…。
ミステリよりも純文学が好きという道尾さんは、川端康成の「雪国」を例に挙げ、文章が映像よりも鮮烈に景色を浮かばせることができることに驚きを感じたと話しています。小説を書くときには、活字でしかできないことがやりたい、というのが姿勢のようです。

次は道尾さんの一日。驚いたのは料理を自分で作るということと、夜にランニングをするということです。道尾さんと言えばギターとお酒という感じがしてたので走るのは意外でした。

著者による全作品解説は読み応えがあります。「鬼の跫音」のはブログに書かれていたものと同じでしたが、「向日葵~」のSがイニシャルの理由とか、真備シリーズのホラー作家道尾が自分と同じ名前の理由などなど、ファンとしては興味深い話がいろいろと書かれています。

一番面白かったのが、綾辻さん、有栖川さん、伊坂さん、桜庭さん、米澤さんなどビッグネームばかり11人からの道尾さんへの質問状です。各10問ずつあるので、答えるのは大変だったでしょう。
特にユニークなQ&Aを挙げてみると…。

・有栖川さんから
「昔は大好きで、今は大嫌いというモノやコトはありますか?」

「人に迷惑をかけることです。」

・伊坂さんから
「自分の今までの作品のうち、どれか一つを僕(伊坂幸太郎)にくれなくてはいけない、としたら、どれをくれますか?その理由も教えて下さい。」

「『骸の爪』が一番売れていないので、名前の力をお借りして大量に刷らせてみたいです。たとえ印税が○○銀行仙台支店に振り込まれるとしても。」

桜庭さんからは小話の依頼をされてそれに応えています。他の作家さんからの質問で川柳を作るは、漱石風の文を書くは、盛りだくさんですw
他にも様々な小説や私的な事柄についてのQ&Aがあり、たっぷり楽しめます^^

「記憶に残る30冊」では、海外作家で最も好きというトマス・H・クックの「夏草の記憶」、京極夏彦姑獲鳥の夏」、横溝正史「本陣殺人事件」などが挙がっていました。驚いたのはフレドリック・ブラウンの「真っ白な嘘」が挙がっていたことです。五話目の「叫べ、沈黙よ」が奇跡のような作品と絶賛。これ持ってるんですが、SF作品ほど読み直していないのでどんな作品だったか思い出せませんでした;;これは再読しないと!

ラスト、「本人による道尾史年表」文章のうまい人は何を書いても面白いですね^^けっこう向こう意気の強い人なのだなあとw

そしてこの号から「球体の蛇」の連載開始。そういえば4号は買ってなかった…あまり興味のある特集じゃなかったんですが、買うかどうか悩みます^^;

道尾さんファンなら買い!の一冊です^^