カラスの親指  道尾秀介

イメージ 1

同僚の借金の保証人になったことから転落人生を歩み、家族を亡くした上、取り立て屋をやって他人の家庭をも不幸に陥れた過去のある武沢。ある日出会った入川と組んで詐欺を働いて暮らしています。
その2人の生活に、ある姉妹と姉の恋人の3人が加わり、おかしな同居生活が始まります。そこに、過去の事件に関わる男の影が…。

この本自体が壮大なコン・ゲームて感じですね~。最後の大仕掛けには驚きました。
それと、最初に例のアナグラムには注目してたんですけどね^^;いろいろ考えてみたものの、正解にはたどり着けませんでした。まあ、最初に考えても正解は出るわけないんですけど^^;あとでふり返って考えてみればよかったなあ…
言葉の二重の意味を英語で表す遊びもおもしろかったです。

親指についての話は、みなさんやってらっしゃるようですね。私も当然やってみました。これはなかなかいいエピソードでした^^

細かい仕掛けについては気づかず通り過ぎてしまったのに、気がついた名前の間違いが誤植だったなんて…;;あそこで悩んだ人たくさんいたんじゃないでしょうか。

あと、序盤の方に出てくるいくつかの表現に抵抗がありました。犯罪を扱うということで、わざと嫌な表現を使っているのだと思いますが、それは必要ないんじゃないかと…。
他にもトリック面で「これはちょっと強引?」と思う部分もあったので、そのあたり惜しい気がしました。

でも、ラストに悲しい場面を持ってこずに、時制を前後させて爽やかに締めくくっているのには好感が持てました^^