美女と竹林  森見登美彦

イメージ 1

美女と竹林をこよなく愛する森見さんの随筆集です。帯にもありましたが、エッセイというより、随筆という方がこの本には合っていますねw

青々と美しく生え揃った竹林は風情があり、特に京都の景色にはなくてはならないように思います。でも、一度植えるとあっちこっちに根を伸ばし、そこらじゅうに増えまくるため、きちんと管理するには並々ならぬ苦労がいるようです。

うちの職場の隣はお寺なのですが、少し前、お寺の竹林から塀をくぐって伸びてきた根から職場の敷地内に竹の子が生えてきました。こういう場合は、生えた敷地内のものになるそうで、ありがたく収穫させて頂きました。

炊き込みご飯やお味噌汁、若竹煮など、春の味覚の中でも竹の子はベスト3に入るんじゃないかなあと思います。私も大好きです^^
森見さんはお父さんと一緒に竹の子掘りに行った記憶から、竹林を愛する人生がスタートしたそうです。

森見さんは、知り合いの家の荒れ放題の竹林を整備し、それをもとに多角的経営を始め、竹林成金になるという壮大な妄想を膨らませます。
そしていよいよ竹を切りに出かけますが、意外と竹は手強く、固い上に上の方で葉や枝が絡まりなかなか倒れないのです。さらに11月を過ぎても猛威をふるうやぶ蚊にも悩まされます。
また、作家としての仕事が多忙を極め、「夜は短し~」が山本周五郎賞をとったために竹林の整備から遠のいてしまいます。

終わりの方にある「森見登美彦(MBC[モリミ・バンブー・カンパニー]最高経営責任者)今、すべてを語る」は、本当なら竹林の整備についての話を続けるつもりが、忙しくてそれどころでなくなり、妄想でお茶を濁した、という感じもします^^;

でも、「孟宗竹分解法講義」は面白かったです^^実際に大学で竹の研究をして、机上に小さな竹林を作ることに挑戦したというのはユニークですね。でも、全然ダメだったとか…。松茸の栽培もどうしてもうまく行かないのと同様、自然とはなかなか思い通りにならないものですね。

ところで一方の美女についてですが、森見さん憧れの本上まなみさんと対談した話が出てきます。もっとこのことについて掘り下げて詳しく書けばいいのに、竹林の時と違って妄想もあまり広がらず、あっさりと終わってしまっています。きっと恥ずかしかったんでしょうね^^;
でも、ひよこ豆のような可愛らしいかぐや姫をお迎えされたそうなので、きっと美女はそれでじゅうぶんなのでしょう。

連載中は味のある挿絵がいつもついていたようで、その2カットが載ってます。全部見たかったなあ~。