新世界より  貴志祐介

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2日で上巻どころか下巻まで一気読みしてしまいました。まさに一心不乱の読書でした^^;こういう世界を作り上げた貴志さんには驚きの一言です。

ある年頃になると発現する呪力(サイコキネシス)を持つ人類による世界。子ども達は大人達によって完全に管理され、余計な情報から隔離されています。また、人々はバケネズミという知性を持つ生き物を支配して働かせていました。

上巻では、虚実ないまぜの博物学や、呪力を高めるためのさまざまな課題など、魅力的な事柄が満載でわくわくさせられます^^生き物好きの私ははまりましたw
夏のキャンプで、この世界がどのようにして成立したのかを、ミノシロモドキという自走型図書館によって知ることになります。血塗られた歴史は驚くべきものですが、ミノシロモドキのユニークさにちょっと救われます。脅すとすぐに手続きを省略しちゃうとこなんか笑えますw だいたい自走型図書館っていう発想がすごいです。でも10年前だったら今みたいに手軽に情報が手に入れられるようになるなんて想像もできなかったし、ネット上で本が読めるとかも考えてなかったから、これから一家に一台(一匹?w)、図書館っていうこともありえるかも…。

暴力的な衝動を抑えるための性的な行動奨励っていうのもびっくりしました。でも、早季、真理亜、瞬、覚の関係は、それぞれを思う気持ちが純粋で、嫌な感じが全然しませんでした。
できれば最後まで子どものままで話を進めてもらいたかったような気がします。子ども達が智恵をしぼって窮地を脱していく、という方がおもしろかったように思うし、子ども時代のパートの方が何だかきらきらしてるんですよね…

下巻ではバケネズミ、謎の悪鬼と早季たちの攻防が中心で、ずっと緊張感のある描写が続きます。奇狼丸は味方なのか?悪鬼をどのようにして封じ込めるのか?
決戦で早季が提案した作戦は、これしか勝つ道がないとは言え、とても残酷なものです。でも、それを提案したときの早季の態度は淡々としていて、どこかに人間優位という気持ちがあったのではないかとさえ感じました。それを当然のように受け入れる彼に複雑な思いでした。

最後の衝撃の事実をスクィーラが知っていたのは、ミノシロモドキから得た物なのでしょうか。それを知ると、スクィーラのとってきた行動も無理もないことのように思います。人間の持つ性質の恐ろしさをまざまざと見せつけられたような気がしました。
人間同士の醜い争いを経て、闘争のない平和な社会を築いたつもりでいたのに、その攻撃性は結局弱者に向けられていたんですね。

何人かの心惹かれるキャラが突然いなくなり、その後のことが語られなくなるのは残念でしたが、最後まで惹きつけられる素晴らしい作品でした。
タイトル「新世界より」は子ども時代の幸せな思い出を乗せて流れる名曲として使われていましたが、文字通り、新しい時代から送られたメッセージ、ととらえても良いように思いました。

最初は本の分厚さに読むのを躊躇してた私ですが、そんな心配は杞憂です。とにかく読みましょう!でも読み始めるのは休みの前日の夜からにしましょうw





ワクワクしてくる世界観ですね~。^^
自走型図書館っていうのが何とも…読んでみないと!(笑)
とはいえ、一気読み前提で買ってこないとダメですね。^^;
楽しみです♪削除

2008/10/7(火) 午前 1:16[ エンジェル ]返信する
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人間VSバケネズミだったものがラストにはああいった構図になっていたのには驚かされました。分厚い本の中に楽しめる要素がぎっしり詰まっていたので、読破してしまいますよね^^ミノシロモドキには少し癒しの要素もあったような(笑)僕の中では今年一番のSFファンタジーでした☆削除

2008/10/7(火) 午前 7:47チルネコ返信する
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2日で上下巻一気読み!それは期待できますね~♪
みなさんの評判もいいし、うわーん早く読みたいよう!
その後お仕事はどうでしょう?あんまり無理はなさらずに^^削除

2008/10/7(火) 午後 1:50ラブリ返信する
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エンジェルさん
本好きの心をくすぐってくれる自走型図書館ですw
考えてもみないような生き物や出来事が山ほど出てくるので、ほんとにわくわくドキドキの連続です^^削除

2008/10/7(火) 午後 9:49ねこりん返信する
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>チルネコさん
私にとっても、今年読んだベスト1です。今のところ^^
シリアスでダークな作品だとは思うのですが、下巻の表紙のように、差し込んできた光に照らされているような明るさも感じる作品だったと思います。削除

2008/10/7(火) 午後 10:01ねこりん返信する
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>ラブリさん
おかげさまで、仕事の方はなんとか^^
ラブリさんの感想もお聞きしたいので、ぜひ読んでみて下さい。
壮大な世界観に圧倒されますよ^^削除

2008/10/7(火) 午後 10:06ねこりん返信する
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私も分厚さに最初しり込みしていたのですが、お仲間さんの絶賛ぶりを見て手に取ってよかったと思える作品でした。このダークな世界観に圧倒されましたね。削除

2008/10/8(水) 午前 7:32べる返信する
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読まれた方ほとんどが大絶賛の作品ですね^^
いい作品に出会えて本当によかったです。いまだに余韻にひたってます^^削除

2008/10/8(水) 午後 10:06ねこりん返信する
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自分も気づくと2日で一気読みしていた作品です^^
今作で描かれる未来の世界観は細かいところまできっちり作りこまれていて現代の人間の弱さ的な要素まで取り入れられリアルな感じがしてすっかり引き込まれしまいました。TBさせてください。削除

2008/10/9(木) 午後 10:00hayaton返信する
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私も「新世界より」は間違いなく今年のベストに入ります。主人公の子供達もよかったけど、脇役の2匹のバケネズミのキャラクターが素晴しかったですね。削除

2008/10/10(金) 午前 9:26しろねこ返信する
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>はやとんさん
これほど夢中にさせられる作品も少ないと思いました。
キャラクターも世界観もすべてが魅力的な作品でしたね^^削除

2008/10/10(金) 午後 7:36ねこりん返信する
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>しろねこさん
スクィーラと奇狼丸は、単なる悪役だとかそういう枠に収まらない、心に残るキャラクターでした。
スクィーラの叫びにこめられた思いが胸を打ちますね。削除

2008/10/10(金) 午後 7:51ねこりん返信する
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ものすごい分量なのに、夢中で読めてしまうところはさすがだと思います。私も決着に至るまでの過程はちょっとあんまりではとも感じたのですが、そのあたりも含め、考えさせられるところの多い作品でした。削除

2008/10/15(水) 午前 2:24よも返信する
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>よもさん
1000ページがあっという間でしたね~^^
読み終わった後も、この世界のことをいろいろと考えてしまうくらいひたってしまいました。削除

2008/10/16(木) 午後 8:55ねこりん返信する
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お疲れ様でしたww重かったでしょう~~♬
でも、重さを感じないぐらい…ページを感じないぐらいのめりこんでしまう作品でしたよね♪
TBさせてくださいね♬削除

2008/10/16(木) 午後 10:29チュウ返信する
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>チュウさん
幸いにも持ち歩いたのは一回だけで、読み終わることができたので良かったです^^;
「狐火の家」も待機中…削除

2008/10/17(金) 午後 8:30ねこりん返信する
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私もこれは金曜の夜から読み始める!と決めてましたねぇ^^読む前は「勢いで読んでやる!」という思いだったのですが、いざ読み始めるとこの世界から抜け出せなくって。ピンポイントですが奇狼丸がお気に入りのキャラでした^^かっこよかったなぁ~。
TBさせてくださいね。削除

2008/10/18(土) 午前 0:22紅子返信する
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おもしろかったです!薦めてもらってほんとによかった!^^
↑うんうん、奇狼丸はナイスキャラでしたね。名前と性格からつい頭の中でオオカミの顔にイメージ変換されてしまいましたが(笑)ちがうんですよね~^^;
TBさせてくださいね♪削除

2008/11/12(水) 午後 10:53ラブリ返信する
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>紅子さん
一ヶ月遅れのRESごめんなさい;;
奇狼丸、私もお気に入りキャラです^^人間も、バケネズミも、キャラが立ってる作品でしたね^^削除

2008/11/13(木) 午前 0:18ねこりん返信する
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>ラブリさん
奇狼丸は古武士のような渋いキャラでしたよね~
覚は、子ども時代の困ったちゃんぶりが抜けて良い人になりすぎたのがちょっと不満だったりw削除

2008/11/13(木) 午前 0:25ねこりん返信する
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貴志さんの本は初めてでしたが、評判通り面白かったです。
重い内容にもかかわら、一気に読まずにはいられなくなる程
素晴らしい大作でした。
私も同じく下巻も子供のままの方が更に楽しめたと思います!
TBさせていただきます。削除

2009/5/14(木) 午後 0:07[ - ]返信する
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>うららさん
うららさんもそう思われましたか^^メインキャラクターがそのままの形で下巻で活躍してほしかったですよね。
今まで読んだ貴志さんの本はどれもはずれがなかったです。ぜひ他の本も読んでみて下さいね^^削除

2009/5/14(木) 午後 8:24ねこりん返信する
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バケネズミのキャラクターには、ドキドキさせられましたね^^。いったいこいつは敵なのか味方なのか?不穏でもあり、頼りにできる風でもあり、ほんとハラハラしました^^。削除

2009/9/5(土) 午前 10:04beck返信する
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>ベックさん
バケネズミのキャラクターは秀逸でしたね~。彼らがいたからこそ、攻防の様子もより生き生きとしたものになったと思います。
最後まで一気読みさせる筆力はさすが貴志さんだなあと感じた作品でした。削除

2009/9/5(土) 午後 0:46ねこりん返信する