屍人荘の殺人  監督 木村ひさし

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久し振りに劇場で映画を観ました。

原作がすごく面白かったし、キャストも好きな人達で、事前に宣伝番組も観て気分も盛り上がったので、観ることにしました。

 

まず神木君が葉村君にぴたりはまってました。神木君は自分の役柄がまだ今イチつかめない時に、剣崎役の浜辺美波ちゃんに自分が剣崎に助手に指名された理由を聞いてみたそうです。美波ちゃんは「お人柄じゃないですかね」と答えたそうで、それで神木君は葉村君はお人好しキャラで行こうと思ったそうです。

その通りお人好しで一生懸命、でも若い男の子らしく女性に興味もあり…という等身大のワトソン役を神木君は上手く演じています。

 

中村倫也君は最初は明智の役はどうなんだろうと思ってましたが、意外とはまってました。

もっとぴったりだったのは美波ちゃんです。考えがまとまると雲竜型の土俵入りをするという映画だけの特徴が付け加えられてましたが、クールさが前面に出た役どころなので、こういうおふざけもいいのではと思いました。

美しく変わり者兼切れ者でホームズ役にふさわしいです。

 

このあとネタバレしますので、未見の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ原作通りの映画化でしたが、一番の違いはゾンビ化した明智が現れたのが救助ヘリが来た後だったことです。

もう助けが来た後よりも、まだ極限状態にある中でのさらにショックな出来事だった原作の方がインパクトが大きかったように思います。

明智いつ出るんだろ…あれ?って思ってしまいました。

でも、剣崎の「―あげない」「彼は私のワトソンだ」

の名台詞は、原作同様心に響きました。凛とした口調、剣崎らしくて良かったです。

 

原作を読まずに観た中村倫也君ファンは、彼が早々に退場してしまって、全体の2割くらいしか出ていないことや、最後にゾンビ化して現れ、しかも美波に殺されてしまうのはショックだったことでしょう。

実際明智は魅力的なキャラで、死んでしまったのはほんとにもったいないと原作を読んだ時にも思っていました。

 

あと原作との大きな違いは、班目機関がゾンビ化するウィルスを注射器に入れて接種していく様子が映画では描かれていたけれど、班目機関については触れられていなかったことです。そこまで語ってしまうと映画としては煩雑になりすぎるので、それでいいと思います。

 

原作を読んだ時から映像向きだなと思っていましたが、その通りでした。ゾンビがわらわらと襲いかかってくる恐怖はやはり映像で観た方が迫力があります。

がらりと様相を変えるストーリーは、映画の「フロムダスクティルドーン」的な驚きがありますが、ゾンビをクローズド・サークルの成立とトリックに使う斬新さは映像でも余すところなく再現されていたように思います。

 

ぜひ続編も映画化してほしいです。

それと、明智の活躍を描いたエピソード0が載ってる「ミステリーズ!」を買ったので、読むのを楽しみにしてます。