背の眼  道尾秀介

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「花と流れ星」を読むために、前二作「背の眼」「骸の爪」をおさらい(「骸~」は未読)してからにしようと読みました。最近の洗練された内容と比べてやや冗長な感じは否めませんが、これがデビュー作だと考えるとなかなかの大作です。

たぶん読んだ人の多くが感じたと思いますが、真備のキャラが京極堂、ホラー作家の道尾のキャラが関口ぽいです^^;真備は女性と間違えられる美形ということで、ちょっと榎木津入ってるかも。京極堂は憑き物落とし、真備は霊現象探求で、最後に憑き物落としらしきこともやってくれます。また京極堂ほどではありませんが霊についての蘊蓄も披露します。道尾さんが京極さんを意識してたかは分かりませんが…。

白峠村で「レエ オグロアラダ ロゴ…」という声を聞いた道尾は、その声と、村で起きた殺人事件を結びつけ、真備に相談します。そして助手の凜と三人で白峠村に向かいます。
自殺者の背中に現れた謎の眼、白峠村の神隠し、天狗伝説などの様々なホラー要素を絡めながら、殺人事件解決の糸口へとつながっていきます。

道尾さんの持ち味である言葉へのこだわりは、この作品からすでに感じられますが、もう一つの持ち味「え~やられた!」という感じはしません。そういうことを目指した作品ではないんですね^^;
登場人物が少ないのでミステリとして考えると犯人はあの人しかいませんが、解決にどのくらいホラーが入ってくるのかが興味ありました。何でも全部解明できてしまうとそれこそ「世の中には不思議な事など…」っていうことになっちゃいますもんね^^;でも結局残るべきとこは残ってたので、真備としても希望が持てたんじゃないでしょうか。
広がりすぎなエピソードと、散りばめられた伏線が回収できるのかがちょっと不安だったのですが、そこはさすが取りこぼしはありませんでした。最初出てきた蘊蓄がきちんと解明に役立ってるとこは良かったです。

この本漫画化されてたんですね。道尾さん初の別メディア作品ですね。漫画は絵によって受け付けないのあるので、本屋で見てみようと思います。

さあ次は「骸の爪」これも長いですね~^^;ですが「背の眼」より評判が良い作品らしいので、がんばって読んでみようと思います。