ホルモー六景  万城目学

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「ホルモオオオォォォーッッ」の衝撃も覚めやらぬまま、「ホルモー六景」へと進んでます^^
続編なのかと思ってましたが、いわば番外編で、ホルモーにまつわる六つの物語です。前作の登場人物が出てくる話もあれば、思いもよらない人が出てくる話も。
プロローグの、安倍と高村ののほほんとした日常に、相変わらずだなあとほのぼのした気分になりながら本編へ…。

「鴨川(小)ホルモー」
京産大玄武組の破竹の如き勝利をもたらした「二人静」の二人、定子と彰子の友情物語です。定子と彰子と言えば、清少納言紫式部それぞれが仕えた姫君の名前ですね。でも、こちらの定子と彰子は、姫君とは大違いのおやぢな二人です^^;
二人の協定や彰子の報復など、やってることは何だか中高生みたいですね^^;鬼語ってホルモー無関係の人の前では絶対言いたくない語感ですよね…。これを言えてしまうというのはまだまだほんとの恋心とは違うのかな~という気がしました。

「ローマ風の休日」
凡ちゃんと、バイト先の少年との、数学を解きつつデート?する一日を描いています。
凡ちゃんと言われつつ、実は非凡な彼女の才能すごいですね~。こんなにやり手で頭の切れる凡ちゃんが、恋愛となるととっても初心で可愛らしい女の子になってしまうのがいいですね^^それにしても「駄目な感じの人」と評される安倍って^^;

「もっちゃん」
安倍の親友もっちゃんは、電車通学で見初めた彼女に告白して失敗します。見かねた安倍はもっちゃんに恋文を書くように勧めますが…。
これは嬉しい驚きでした。もっちゃんの作品は私も大好きなので^^実際に例の場所に行ってみたこともあります。閉店の時に、そんな出来事があったなんて…彼の作品を愛する人達はなかなか粋なことをしますね^^
それにしてもこのミステリ的な構成にはびっくりです。

同志社大学黄竜陣」
京都の四大といえば同志社、と京都在住の皆さんが言われてましたが、憧れの教授に習うために同志社に入学した巴は、かつてあったホルモー部の歴史を偶然辿ることに。
これほど芦屋がイヤなやつだとは…。アイス・ラテだけじゃ足りません。ちなみに沸点に達した巴がしゃべった言葉は広島弁ですね。
期せずしてホルモー復活の三条件を満たしてしまったみたいですね^^;「もっちゃん」のラストで予約人数が十人多かったわけが分かりました。「鴨川(小)ホルモー」とリンクしてるのも楽しいです^^

「丸の内サミット」
丸の内で行われた合コンで、かつてホルモーにおいて「黒い嵐」と称された京産大の榊原と「赤い鉄壁」と称された龍谷大の井伊はばったりと顔を合わせてしまいます。
それにしてもここまでホルモー率の高い合コンって…まさにサミットかも(笑)でもやっぱりホルモーは京都が似合うと思うんですが。
一度ホルモーを経験すると、引退してもずっとオニの姿が見えるんですね。

「長持の恋」
バイト先で、古い長持に入った「なべ丸」と書かれた木簡を見つけた珠美は、なぜかマジックペンで自分の名前を書き込んでしまいます。次に見るとその木簡に返事が…。それを機会に、見知らぬなべ丸との文通が始まります。
これはいい話ですね~^^なべ丸の命を何とかして救おうとする珠美と、なべ丸からの返事にきゅんとしてしまいます。
高村のちょんまげにこんな意味があったなんて!前作の時、もうこの話につながる予定だったんでしょうか。素直に感動しました^^

それぞれ違った味わいの話でしたが、ホルモー的な味付けが効いていて楽しかったです^^特に「長持の恋」と「もっちゃん」は心に残る話でした。万城目さん、好きな作家さんになりそうです。

さっきブログペットのぺんぺん君に会いに行ったら、何と「ホルモーー」と叫んでました。なんていいタイミング(笑)ぺんぺん君もホルモー部に入ったんでしょうか。