豪華客船エリス号の大冒険  山口芳宏

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「夜叉姫」と呼ばれる伝説の犯罪者から、探偵の荒城咲之助の元に挑戦状と豪華客船エリス号のチケットが届けられます。エリス号に乗り込んだ荒城と殿島の周囲で起こる連続殺人。2人と、船に乗れなかったもう一人の探偵真野原は事件を解決できるのでしょうか?

何て派手な展開の本なのでしょう。新年にぴったり?(笑)探偵2人のキャラクターも相変わらずgood!2人については詳しくは別記事「雲上都市の大冒険」をどうぞ。前作の表紙はシルエットでしたが今回は探偵2人がきちんと描かれていて、なるほどこんな感じなのか~と。でも真野原は学生服ってことで坊主頭と勝手に思いこんでましたが、ふさふさですね^^;ほんとは学生じゃないので当たり前ですけど。

舞台が豪華客船というところがいいですね。「タイタニック」見たので、船室によって階級があって厳密に分けられていたとか、豪華な船内の様子とか、映画で見た様子を思い浮かべながら読んでました。この巨大な密室、とも言える船内で、殺人が起きる起きる^^;爆破による被害も含め、とにかく派手にやってくれます。
トリックもやたらと大がかりで「それ、できるの?」と思うのも前作と同じで、動機もとんでもなかったですが、ストーリーが面白いので何でも許します(笑)
古き良き探偵小説のあれこれを取り入れながらも、それが新しく生かされていると感じるのが山口さんの巧さですね。
新しいと言えば、猫に名前をつけるところでの、荒城の「ホームズ」と「ルパン」についての話には笑いました(笑)こういうお遊び楽しいです♪

真野原は置いてけぼりをくったけど、あの真野原が素直に引き下がるわけないだろうと思ってましたが、恐るべき熱意と根性でやって来ましたね^^;だいたい最初のマサイ族の踊りの実演や、新義手のへんてこな機能といい、さらにパワーアップした真野原に怖い物なしでしょう(笑)全国の糊をかぎ分ける特殊技能もちゃんと役だってました(笑)

前作で荒城の見せ場が少なかったので、荒城を応援する私には物足りなかったのですが、今回は最初から活躍してましたね。でも、肝心なところになるといなくなって、真野原の独壇場になるのは前作と同じです。荒城はすごくがんばってるのに殺人が防げず苦悩する探偵の宿命を背負わされてるんでしょうか^^;某金田一さんへの皮肉もしくはオマージュでしょうか?荒城と殿島がさんざん苦労したことを、真野原がいとも簡単に推理していくのがちょっとくやしい?気がします^^;少しは荒城にも解決の喜びを味わわせてあげたいです。
それにしても、前作の記事のコメントで他の方が教えて下さったショックな出来事は、ほんとにショック受けました。まさかこのままってことはないよね?と思いつつ最後まで読みましたが…。

真野原の孫が活躍するシリーズが出たそうですが、私は本作のメンバーが活躍するシリーズがもっと読みたいです。第三弾熱烈希望です!