魔女の隠れ家  ジョン・ディクスン・カー

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チャターハム監獄の長官を代々務めてきたスタバース家の主は、これまで何人も首の骨を折って亡くなっていました。先代であるティモシーも、「魔女の隠れ家」と呼ばれる絞首台のそばで大怪我を負い、謎の遺書を残して亡くなります。
そしてティモシーの息子マーティンは、相続の儀式を行うために長官室に籠もるのですが…。

カーの有名な探偵、ギディオン・フェル博士初登場の作品です。監獄というおどろおどろしい舞台に呪われた家系という怪奇趣味、トリック及び暗号解読に宝探し、ワトスン役の青年ランポールの恋愛と読みどころがてんこ盛りな作品です。古い版なので、表紙が騎士が骸骨と戦っている銅版画風です。見ようによっては骸骨とダンスを踊っているようにも見えて、今の表紙よりも雰囲気があって気に入ってます^^
むか~し読んだことがある作品なのですが、ほとんど内容は忘れていて、犯人も誰か自信がない状態だったので良かったです(いいの?^^;)一ページ目にあるあらすじが説明しすぎで、次に誰が死ぬかまで書いてあったのは問題ありでしたが、これはカーの責任じゃないですね^^;

フェル博士は100キロを超える巨漢でビールが大好き、陽気で人の良い愛すべき名探偵です。おっちょこちょいの奥さんと、純情熱血一直線のランポールもいい味出してます。舞台が怪奇なので、彼らのキャラクターでバランス取れてる感じがします。そのあたり、金田一とも共通点ありますね。そういえば奥さんがいる名探偵って日本にはあまりいない気がするんですが…ぱっと思いつくのは京極堂くらいです。幅広く読んでないので思いつかないだけかもですが。

カーといえば密室ですが、今回のトリックは密室というより古風な舞台設定を生かしたものでした。どこもかしこも明るい現代社会では難しいトリックかもですね。伏線も巧みに仕掛けられていて、さすがカーだと感じました。時計はトリックの一部かと思っていましたが、これが犯人にとっては不測の事態だったんですね~。
また、犯人を指摘する方法も、○○を連れてくるという意外さでわくわくさせられました。
暗号は地理や世界史の知識があれば日本人にも解けそうです。出てくる文章も簡単です。実際、暗号のいくつかは自分にも解けました。ポーに出てきたような「それ絶対解けないでしょ^^;」というような暗号もそれなりに面白いですが、こういう万人向けの暗号もいいですね^^

ランポールはこの後の作品でちゃんとドロシー(マーティンの妹)と結婚してます。そういうところも何だかいいなあと思うシリーズなのでした^^





本書は密室ではなかったですが、舞台装置と怪奇趣味で楽しめました^^トリックに別段驚きはなかったのですが、ラストの犯人の独白の往生際の悪さには呆れてしまった覚えが^^。ランポールのその後が気になってたのですが、結婚してるんですね^^。
TBしようとしましたが、できませんでした。できるようになったらしますね^^; 削除

2010/2/14(日) 午後 9:00 チルネコ 返信する
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>チルネコさん
ほとんど同時にお互いの記事を訪問したみたいですね^^最近TBがしにくいですね~。他の方も言われてたので自分だけじゃないみたいです。
舞台設定の勝利という感じの作品でしたね。メインキャラクター達も生き生きしていて好きでした^^犯人は自分に自信持ちすぎなくせに、情けなかったですね~^^; 削除

2010/2/14(日) 午後 9:14 ねこりん 返信する