クヒオ大佐  監督 吉田大八

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ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐と名乗った実在の結婚詐欺師を堺雅人さんが演じています。
アメリカ空軍パイロットでエリザベス女王の親類」という経歴をまことしやかに語ってはいますが、全く英語は話せない純日本人です^^;でも、話術が巧みで、電話の時にはわざわざラジオの雑音をバックに入れて戦闘機にいることを装う念の入れようです。それに、狙った女性のところには心をつかもうと日参した上、さらに他の女性のところにも顔を出しています。それだけの熱意とこまめさがあればちゃんとした仕事ができそうなのにと思います。
実際のクヒオ大佐も鼻を高く整形していたそうで、堺さんはつけ鼻で熱演しています。あれつけるの時間かかりそうですね…。たどたどしく見せた日本語も明らかにうさんくさいのですが、堺さんが演じていると何だか憎めず、女性が惹かれる気持ちもちょっと分かるような…^^;結婚詐欺師とか最低って思うんですけどね^^;

松雪さんが演じていたしのぶの弟が電話に出た時、すぐ切ればいいのに話を続けてしまったことや、弟の呼び出しにも素直に応じていることなど、小心者で根っからの悪人ではないことが窺えました。
恵まれない家庭に育ち、父親の暴力に怯えて育ったこと、「あんな家に住みたい」「みんなと一緒に野球がしたい」等、子供の時からの憧れを投影して嘘を重ねていることなど、クヒオの背景が語られますが、「つらい時には空を見上げるんだ」という台詞が切ないです。クヒオの持つ寂しさを女性が感じ取って、そこに惹かれるということもあるのかなと思いました。
 
しのぶは、自分が騙されているかもと薄々感じていたんでしょうね。でも、自分たちの恋愛を本当のものにしたいという思いでいっぱいだったのでしょう。 ほんと一途でけなげなんですが、女性の愚かな面を見るようでもあり、複雑な心境でした。
しのぶはお弁当屋を経営しているのですが、松雪さんは「容疑者Xの献身」でもお弁当屋でしたね。原作がそうなのでしょうが…。
 
ラストの、クヒオの妄想の爆走には笑いました。終盤深刻な感じになってきてどうなるのかな~と思っていましたが、結局コメディなので、このラストは○ですね^^
堺さんのサービス?ショットも多々あり、堺さんファンなら見逃せない作品です。
次は「ゴールデン・スランバー」ですが、見に行けないまま上映終了しちゃったので、DVDを気長に待つことにします。