幻影師アイゼンハイム  監督 ニール・バーガー

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スティーヴン・ミルハウザーの短編集「バーナム博物館」所収の「幻影師、アイゼンハイム」を映画化した作品です。主役のアイゼンハイムを、演技派のエドワード・ノートンが演じています。

舞台は19世紀末のウィーン。家具職人の息子エドゥアルドは伯爵令嬢ソフィと恋に落ちますが、引き裂かれてしまいます。奇術に興味があったエドゥアルドは腕を磨き、やがて幻影師アイゼンハイムとして名声を博します。そしてある日、皇太子に伴われて劇場に現れたソフィと再会します。

「幻影師」と言われるだけあって、彼の見せる奇術の数々が、映画と分かっていても楽しませてくれます^^観客と一緒になって「次はどんなすごいイリュージョンを見せてくれるのかな?」とわくわくします。アカデミー賞の撮影賞にノミネートされただけあって、舞台設定が時代を表していて素敵です。

どうしても比較してしまうのが、プリースト原作の映画化「プレステージ」です。奇術師同士の長年にわたる確執をテーマとしていますが、「幻影師~」はラブロマンスが中心です。また、禁断の領域に踏み込んでしまう「プレステージ」ですが、「幻影師~」は、イリュージョンにはきちんとした仕掛けがあることを、ストーリーの上で生かしています。

ラストの展開にはびっくりしますが、アイゼンハイムのトリックが鮮やかで、駅でのウール警部のように「見事にやられた、仕方がないな…」と笑顔になってしまいます^^「プレステージ」の開いた口がふさがらない驚きとは違って、すがすがしい気分です^^
よく分からなかった人のために、重要なシーンを警部の回想としてまとめて見せてくれる親切設計です(笑)

ノートンの演技はさすがです。舞台に立っているときは存在感ある不思議な幻影師、ソフィの前では彼女を一途に愛する男性です。デビュー作の「真実の行方」でいきなりアカデミー賞ノミネート、ゴールデングローブ賞を取った俳優さんなので、演技力は折り紙付きです。少し前に見た「インクレディブル・ハルク」で、苦悩を抱えた主人公を演じてましたが、アメコミものの主役は、最近は「スパイダーマン」のトビー・マグワイアを始め、演技派の人が多いですね。
ソフィ役のジェシカ・ビールは「NEXT」で初めて見た女優さんですが、魅力的で印象に残っています。
警部役のポール・ジアマッティや、皇太子役のルーファス・シーウェルもいい味だしてました。

サスペンスとして素晴らしかったし、俳優さんの演技も、映像も楽しめる良作です。多くの方に見てもらいたいおすすめ映画です^^