ジャージの二人  長嶋有

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映画はまだ見てませんが、TVの宣伝を見て原作に興味を持ちました。堺雅人さんて好きな役者さんなんです^^読むときには完全に映画のキャストを頭に置いて読んでました。
読む前のイメージとしては、「間宮兄弟」みたいな感じなのかな~と思ってました。でも、親子とも深刻な状況にいるにも関わらず、二人が揃うとなぜかスローな時間が流れていく…というような話でした。
息子の方は、奥さんについてけっこうどろどろした感情が渦巻いてたりしてるんだけど、父親といる時はそれが凪いで「別荘での親子の生活」の中に溶け込んでいるように見えます。薪を割ったり、野菜を山ほどもらったりとか五右衛門風呂をたいたりとか…そのゆるゆるとした感じが、ジャージに象徴されてるのかなあと思いました。
あと、実名でお菓子がいろいろ出てきて、アルフォートジャイアントカプリコが食べたくなります^^

続編の「ジャージの3人」では、奥さんや娘も入ってきて、親子の抱えてる問題がもう少しクローズアップされます。でも、父親のスタンスは「二人」でも「三人」でもいつも同じです。息子の気持ちの整理も、父親と過ごした時間のおかげなのでしょう。

原作ではジャージの色は紺色と小豆色でした。映画では紺ではなくて黄緑色でしたね^^でも、黄緑の方が確かにインパクトありますw鮎川誠さんは物にこだわらない飄々とした感じが出てそうな気がします。
映画もぜひ見たいです。

bookoffで文庫を買ったので、表紙は映画バージョンのではないです。今となってはこっちが貴重かも?
単行本の表紙は大島弓子さんだそうです。それもいいなあ~