鋼鉄都市 アイザック・アシモフ
夏のSF祭り第二弾です。当初の予定にはなかった本ですが、図書館の本を検索している時に見つけました。これが昭和54年発行の年季が入った本で(もしかして初版本?)開架には置いてなかったという代物です。漢字や言葉も読みにくいものが多く、「新しい」は「新らしい」、「グループ」は「グルウプ」^^;でも、内容の面白さに惹きつけられる本でした。
爆発的な人口増加により、地上には住めなくなった人類は、巨大な、密閉された鋼鉄の都市の中に住んでいます。食料も不足し、主食はイースト菌を培養して作ったものです。
主人公ベイリはニューヨーク・シティの刑事で、ある日警視総監に呼び出され、宇宙人が殺害された事件を担当することになります。そして、パートナーに指名されたのは、宇宙市(地球の宇宙人滞在地)から派遣されたロボットのダニールでした。
主人公ベイリはニューヨーク・シティの刑事で、ある日警視総監に呼び出され、宇宙人が殺害された事件を担当することになります。そして、パートナーに指名されたのは、宇宙市(地球の宇宙人滞在地)から派遣されたロボットのダニールでした。
宇宙人と言っても、かつて地球から宇宙へ移民して行った子孫達なので、地球人の子孫と言えるのですが、移民してずいぶん年月が経っているために親近感は薄れ、反感だけが残っています。また、ロボット技術が向上し、人間の仕事の多くをロボットがするようになったために職を失う者が増えます。そのため、以前の地球の暮らしを取り戻そうとする懐古主義者たちを筆頭に、ロボットを憎む人間も多いのです。
ベイリもロボットを嫌う人間の一人でしたが、人間そっくりのダニールと捜査をするようになってから、だんだんと心境に変化が訪れます。
ベイリもロボットを嫌う人間の一人でしたが、人間そっくりのダニールと捜査をするようになってから、だんだんと心境に変化が訪れます。
宇宙人殺害の謎を解くミステリSFですが、人間とロボット及び、人間と科学技術の関係のあり方を提示した作品とも言えます。また、来たるべき環境破壊や人口増加、食料の問題に警鐘を鳴らした作品でもあるでしょう。
ミステリとしてはメインの登場人物が少ないために犯人の予想はつきます。でも終盤の展開では、どのように犯人を追い詰めていくのか、そこが見所です。しかしダニールが宇宙市の決定を受けてベイリとのパートナーを解消することになってしまいます。この時のダニールのロボットらしい合理性と非情さは見ていて歯痒くなるほどです^^;パートナー解消のタイムリミットまでに事件を解決することができるのか、それも気になる要素です。
有名な「ロボット三原則」が展開と推理に生かされていることは、アシモフだなあと嬉しくなってしまいます^^
ミステリとしてはメインの登場人物が少ないために犯人の予想はつきます。でも終盤の展開では、どのように犯人を追い詰めていくのか、そこが見所です。しかしダニールが宇宙市の決定を受けてベイリとのパートナーを解消することになってしまいます。この時のダニールのロボットらしい合理性と非情さは見ていて歯痒くなるほどです^^;パートナー解消のタイムリミットまでに事件を解決することができるのか、それも気になる要素です。
有名な「ロボット三原則」が展開と推理に生かされていることは、アシモフだなあと嬉しくなってしまいます^^
SFガジェットはあまり難解な物はありません。面白いと思ったのは「高速自動走路」という動く歩道の道路版です。車が通る道は別にあって、歩行者専用の動く道路です。走路を飛び移る危険な遊びを子供の頃していたベイリが、その技を使って追っ手をまくところは痛快です。でも、走路に人間のランクごとに分けられた座席や道があるところは皮肉ですね。
久しぶりにアシモフの作品を読みましたが、さすがSF界の巨匠の作品は読み応えがありました^^
>チルネコさん
ベイリもダニールもなかなか印象的なキャラだったので、シリーズ物だったのは嬉しいです。 削除
ベイリもダニールもなかなか印象的なキャラだったので、シリーズ物だったのは嬉しいです。 削除
2010/8/5(木) 午前 0:04 ねこりん 返信する
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表記が古いと読みにくい反面、時代を感じて風情がありますね。SFでも(笑)早く読みたいですねえ。 削除
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>テラさん
「パートナー」とかは普通に伸ばしてるのに、「グループ」は「グルウプ」なのが変だな、と^^;時代SF…侍の出てくるタイムスリップ物みたいなイメージですね(笑)
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「パートナー」とかは普通に伸ばしてるのに、「グループ」は「グルウプ」なのが変だな、と^^;時代SF…侍の出てくるタイムスリップ物みたいなイメージですね(笑)
今読んでる短編集の一編が、わざと旧漢字、旧仮名遣いで書かれているのですが、こちらは日本物なので違和感ないです。 削除
2010/8/5(木) 午後 9:22 ねこりん 返信する .
今読んでも未来物であるのが凄いと思いました。たまにSFを読んでいて、「この機械、現代にもうある。。」と思うことがあるので。問題提起などに着目して現代を見ると、このころから人間は進歩したのかしていないのか。。考えさせられまsね。
そういえばアイリッシュの短編集も、送り仮名とかが古かったです。(そのまま引用したけど~) 削除
そういえばアイリッシュの短編集も、送り仮名とかが古かったです。(そのまま引用したけど~) 削除
>ゆきあやさん
いつか、「このロボット、現代にもういるね…」という時が来るのでしょうか。楽しみですね^^
私が持ってるアイリッシュの短編集もかなり古い版です^^;関係ないですけど、この短編集何で一部の巻だけしか在庫ないんでしょうね。 削除
2010/8/9(月) 午後 8:44 ねこりん 返信する私が持ってるアイリッシュの短編集もかなり古い版です^^;関係ないですけど、この短編集何で一部の巻だけしか在庫ないんでしょうね。 削除