魔法使いの弟子  監督 ジョン・タートルトーブ

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大魔法使いマーリンの弟子であるバルサザールは、マーリンを悪の魔法使いモルガナに殺され、モルガナと合体した恋人ヴェロニカを封印します。マーリンの後継者となる者を探して、千年以上の時が経ちますが、ついに見つけた少年デイブは、気弱な物理オタク青年に成長していました。

これは楽しい!^^最初の魔法合戦、メモ用紙がひらひらと飛んでバルサザールと出会うエピソードからもう惹きつけられました。
魔法が化学や物理学を利用した物という解釈で、デイブが研究しているテスラコイルが魔法に役立っているのも面白いです。テスラコイルは映画「プレステージ」でも使われていますが、実際に音楽を奏でることができるそうです。今でも原理が未解明な部分があるそうで、魔法と関連づけやすいアイテムですね。
いろんな魔法が披露されますが、目立つのはやはり予告でも出ていた、かめはめ波風プラズマ魔法です(笑)中華街の踊りに使われていた張り子の龍が本物になるところやタクシーをスポーツカーに変えてしまうところなど、チープなんだけど、派手で目を奪われます。
また、ディズニーの有名なアニメ「ファンタジア」を下敷きにしているそうで、ファンタジアに出てくるモップが踊るシーンを再現しているのが楽しいです^^

魔法使いの弟子の弟子になったデイブが、だんだんと意志の弱さを克服して、人間的に成長しながら魔法使いへと変貌していくのが見どころです。デイブ役の人はハンサムではないのですが、この役にはぴったりです。魔法使いとしての修行よりも恋愛を優先していて、その気持ちを、恋人を封印せざるを得なかったバルサザールが理解を示してくれているのが切ないです。
デイブの幼なじみ&恋人となるベッキーは、デートがめちゃくちゃになっても怒らず、デイブの良さを分かってくれます。最後に重要な役目を果たす役どころです。初めて見る女優さんでしたが、なかなか感じの良い人でした。

バルサザール役のニコラス・ケイジは、デイブを指導し支える役を、いつもより押さえた演技で演じています。こういう、主役の一人なんだけど、若干サブに回った役というのも好感が持てます。元々は、ケイジが持ち込んだ企画だそうです。魔法使いに憧れてたんでしょうか。

敵役の魔法使いマクシムは、「スパイダーマン2」で背中に鉄の触手を生やしてたアルフレッド・モリーナです。 もとは舞台俳優さんなのでしょうか、すごく存在感あります。怖い中にもちょっとユーモアを漂わせていて巧いですね。
ユニークなのはマクシムの片腕となる魔法使いドレイクです。ロック系マジシャンとして生活していて見た目もその通り、言動も魔法使いらしくなく軽くて、マクシムに呆れられる場面も。
ヴェロニカを演じているモニカ・ベルッチはエキゾチックな魅力を漂わす女優さんですが、出番が少ないのが残念です。

ラストはデイブとモルガナの一騎打ちになり、その直前の街全体を使った大がかりな魔法とうって変わって、かめはめ波オンリー!の戦いになります(笑)相手はものすごい魔法使いなのにそれでいいの?という気もしましたが…^^;でも素質だけでそこまで戦えるんだということを見せたかったのかも。

敵の魔法使いは全滅したわけではないので、これから続編がありそうですね。善と悪の対決という古典的なテーマながら、魔法もアクションも盛りだくさんな、素直にわくわくできるエンタテイメント作品でした^^