新参者  東野圭吾

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新年一冊目は「新参者」です。もうきっと多くの方が読んでいらっしゃるだろうこの作品を今頃になって読んでるわけは、一つは「赤い指」のドラマ公開、もう一つは家族がドラマに合わせてか「新参者」のDVDを借りてきたからです。放送当時は阿部さんが加賀さんというイメージになじめず、ほとんど見ていませんでした。でも、「赤い指」を見て、だいぶ阿部さんの加賀さんにも慣れてきました。人情物はちょっと苦手だと思ってたのですが、原作読んでみると、いあ~何で今まで読んでなかったんだろう、と^^; これだけ時間たってると、加賀さんもすでに新参者じゃなくなって町に馴染みまくってるでしょう…^^;

加賀刑事は、日本橋署に着任したばかりです。この町で一人暮らしの女性の殺人事件が起きます。加賀さんは古くからの店が建ち並ぶ町を歩き回り、人々とふれ合うとともに、事件の手がかりをつかんでいきます。

加賀シリーズは「どちらかが彼女を殺した」「嘘をもうひとつだけ」「赤い指」しか読んでなかったのですが、人の心の機微が分かる素敵な人だなあと思っていました。この「新参者」ではその魅力全開です。メインの事件に関わる事実を集めつつ、直接関係ない他の出来事まで解決してしまいます。他の刑事が目を向けないようなことに注目して、そこから真実を導き出す鮮やかさといったら!「警部にしてもらうべきだ」「一体何者なんだ?」(ほめ言葉)という登場人物の言葉にうんうん(←嬉しいらしい)とうなずいてしまう私なのでした。

一つ一つの章はどれも人と人との心のつながりを感じさせ、心温まる内容です。特に「洋菓子屋の店員」の、被害者が洋菓子屋になぜ通ったのかという理由には胸を打たれました。ドラマでは被害者の息子役を向井君がやってます。このエピソードきっとありますよね?楽しみです~。「瀬戸物屋の嫁」も良かったなあ…伊勢海老に松阪牛…なるほど。刑事として聞き込みをするために訪れているにも関わらず、だんだんと町の人達に親しまれ、日本橋という土地に馴染んでいく加賀さんを見ているとほのぼのとした気持ちになりました。

「事件によって傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探し出すのも刑事の役目です」という加賀さんの言葉にはじーんと…><加賀さんの、相手の気持ちを大切にする真摯な姿勢が事件解決にも結果的に役立っているんですね。

ドラマの方も少しずつ見始めてますが、こちらの加賀さんは原作に比べてあくが強いですね^^;あんまりいい人そうには見えません(失礼)ノータイとは言えスーツなので、原作のラフな格好でやっぱり出てほしかったです。でも、有能な感じは出てると思います。これから素敵なエピソードの数々が見られるのが楽しみです^^

ほんとに読んで良かったです。ますます加賀さんのファンになりました^^新作の告知もあったし、次は早めに読みます(笑)