STORY BOX~怪物くんと伊坂さん

文庫本で表紙というのは新鮮でした
中の写真はモノクロでしたが、なかなかいい感じの写真で好きです^^
怪物くん中心のインタビューなので、知っていることばかりではありましたが、大ちゃんのいいところをきちんととらえている記事には好感を持ちました^^
 
実は、今日はこのあとの伊坂幸太郎さんと中村義洋監督との対談について書きたいんです。
伊坂さんは私が一番好きな作家さんです。「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」など、作品の多くを中村さんが監督しています。
 
伊坂さんは「映画 怪物くん」を観たそうで、映画をとてもほめて下さってます^^
作家さんだけあって、怪物くんのキャラについての意見がさすがに的確です。
 
「怪物くんは万能なのに、ちっとも完璧なヤツじゃなくて親しみがもてます」
「『ヒーロー』って『超人』を指す時と、『俺たちの仲間』という意味を指す時があるけれど、怪物くんはその両方あるような気がします」
「怪物くんが、人の意見をパクって自分の名言にしてしまう場面が痛快でした。いいものは全部自分のものにするけど、別にいいでしょ、と言うか。ワガママ王子らしくてとても新鮮でした」
 
伊坂さんは仙台市在住で、震災の被害に遭われました。その後、伊坂さんが震災について語るのを読んだのはこれが初めてです。
 
伊坂さんが語っていたことは、「震災に対して無力だった」ということ。
「誰かに寄り添う小説を書こうと頑張っていたけど、小説は僕には寄り添ってくれなかった。小説は何も救ってくれない」
しばらく自己嫌悪に苛まれたそうです。
まだ、その気分は脱し切れていないけれど、少しずつ前向きに考えられるようになったそうです。
「できることは小説を書くことだけ」
 
震災のあと、息子さんが「仮面ライダーの映画やらないかなあ」と言うのを聞いて、そういう娯楽を提供できる人達は本当にすごいという思いを持たれたのだとか。
これって、大ちゃんが行った女川市のご当地ヒーローの話に通じますよね。娯楽を提供することで、人々の気持ちを明るくし、支える役割を担っているのですね^^
 
「以前は楽しくて面白いだけの小説なんてダメだと思っていたのが、今はそれだけでも凄いじゃないかと思い始めました」
そういう風に小説に対する考え方までも変えてしまう経験、被害のなかった西日本に住む私には実際には想像がつきませんが、伊坂さんの言葉を読んで、胸に迫る物がありました。
 
伊坂さんは震災後まだ作品を発表されていませんが、次はそういう思いをこめた作品になるのでしょうね。
 
伊坂さんは「映画 怪物くん」のポジティブなメッセージにとても勇気づけられたそうです。
この映画を観て、被害を受けた方々の心が1人でも多く明るくなってくれたらいいな、と思います