武士の家計簿 監督 森田芳光
「武士の家計簿 『加賀藩御算用者』の幕末維新」(磯田道史)が原作です。設定を借りただけではなく、登場人物は全て実在した人ばかりです。
「金沢藩士猪山家文書」という武家文書が神田の古本屋で発見され、それに、直之がつけた克明な家計簿が残されていたのです。それを歴史家である磯田さんが研究され、当時の武士の暮らしを読み解いたのだとか。
映画でも、猪山家が直面する困難や、その中で工夫しつつ明るく生きる家族の様子が生き生きと描き出されています。
「金沢藩士猪山家文書」という武家文書が神田の古本屋で発見され、それに、直之がつけた克明な家計簿が残されていたのです。それを歴史家である磯田さんが研究され、当時の武士の暮らしを読み解いたのだとか。
映画でも、猪山家が直面する困難や、その中で工夫しつつ明るく生きる家族の様子が生き生きと描き出されています。
この映画は直之が家計を立て直すまでが描かれているとばかり思っていましたが、その息子である成之の視点から、直之が亡くなるまでを描いていたので、ほとんど一代記のような内容になっています。
御算用者にも関わらず、直之の父信之(中村雅俊さん)は家計のことはよく考えていなかったのか^^;猪山家は莫大な借金を抱えていました。
成之の袴着の儀式の費用にも困り、直之はついに家計の一大改革に乗り出します。
成之の袴着の儀式の費用にも困り、直之はついに家計の一大改革に乗り出します。
家財道具をほとんど売り払い、債権者と交渉して今後の利子を0にしてもらって、ついに借金を全て返すことに成功します。
体面を重んじる武士の立場で、これだけ思い切ったことをする人は珍しかったのではないでしょうか。
体面を重んじる武士の立場で、これだけ思い切ったことをする人は珍しかったのではないでしょうか。
思ったのは、冠婚葬祭というのはやはりお金がかかるなあ…ということです。今ではかなり簡略化する場合もあるとは言え、人とのお付き合いには何かと物いりです。
江戸時代、特に武士では、簡略にすること自体あり得ないという感じだと思います。
祝い膳の鯛が買えず、にらみ鯛(絵に描いた鯛)を使うという印象的なエピソードがありますが、直之の両親から非難ごうごうでした。無理もないですが^^;
親が亡くなった日にもそろばんをはじいて葬儀の費用を計算している直之の姿を見て、幼い成之が複雑な思いを抱くシーンも印象に残ります。
江戸時代、特に武士では、簡略にすること自体あり得ないという感じだと思います。
祝い膳の鯛が買えず、にらみ鯛(絵に描いた鯛)を使うという印象的なエピソードがありますが、直之の両親から非難ごうごうでした。無理もないですが^^;
親が亡くなった日にもそろばんをはじいて葬儀の費用を計算している直之の姿を見て、幼い成之が複雑な思いを抱くシーンも印象に残ります。
「そろばん侍」としての誇りを持ち、家族の次にそろばんを大切にしている直之の思いが強く感じられました。
そんな直之に小さい時から厳しくしつけられ、御算用者としての技術を身につけた成之は、やがて大村益次郎に認められて官僚になります。
そんな直之に小さい時から厳しくしつけられ、御算用者としての技術を身につけた成之は、やがて大村益次郎に認められて官僚になります。
質素倹約を文字通り絵に描いたような映画なのですが、暗くならないのは俳優さんたちのおかげでもあると思います。真面目で穏やかな雰囲気を醸し出す堺さん、人の良さがにじみ出る中村さん。可愛らしいお母さんの松坂慶子さん。笑顔で直之を支える妻お駒役の仲間由紀恵さん、家族をさりげなく支え、成之を算術問題で鍛える祖母役の草笛光子さん。
淡々とした中にも、家族の温かい雰囲気が伝わってきて好きでした^^
淡々とした中にも、家族の温かい雰囲気が伝わってきて好きでした^^
いらない物を買いすぎる傾向のある我が家ですが、もう少し倹約しないといけないな…と新年から反省させられました。
先日亡くなられてしまった森田監督。正直言って、苦手な作品もありましたが、この映画は好きな映画の1つになりました。