もう誘拐なんてしない  東川篤哉

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3日の大ちゃんのドラマを見るまでに…と思っていましたが、結局半分くらいでタイムアウト^^;でも、ドラマ見ながら「へえ~そうだったんだ」と驚けたので良かったです^^

ごく普通の大学生の樽井翔太郎は、先輩にたこやき屋(ドラマではやきいも屋でした)の屋台を押しつけられます。商売中に、高校生の絵里香から助けを求められますが、彼女は地元で有名なヤクザ、花園一家の娘でした。
離婚した母親が再婚して生んだ妹の手術費用を父親に出してもらう方法に悩んでいる絵里香に、翔太郎は狂言誘拐をもちかけます。ここも原作とドラマとでは違いますね。ドラマで狂言誘拐を言いだしたのは絵里香の方でした。

翔太郎は山口県下関市在住。絵里香は関門海峡を挟んでお隣の福岡県北九州市門司在住です。
私は前に下関市から車で30分くらいの場所に住んでいたので、ローカルな話題満載なこの物語には、「あるある!」「そうそう!」とうなずきっぱなし(笑)
それにしても、先輩の甲本が山口弁バリバリなのに、他の登場人物がほとんど標準語^^;まあ、全員方言でしゃべられたら何が何だか分からないでしょうけど^^;
そういうわけで、ドラマでも大ちゃんは山口弁をしゃべってくれませんでした(笑)

甲本に協力を頼んで、身代金を奪取する翔太郎側のパートがたこマーク、身代金を渡す側の、絵里香の姉皐月側のパートが花マークになってます。伊坂幸太郎さんぽいですね^^
この狂言誘拐事件に、殺人事件や偽札が絡んできます。

東川さんと言えば脱力系のユーモアミステリ。今回も飛ばしてますが、砂川刑事が出てないので、ややおとなしめかも知れません^^;
でも、皐月ととぼけた父親や部下とのかけ合いや、絵里香に手を出したいけど、強気に出られると何もできない翔太郎のやりとりなど、つい吹き出してしまうシーンも(笑)
地元民にしか分からない笑いのツボもいくつかあって、ほんとローカルです。その1つが解説にも書いてあって、また「そうそう!」でした(笑)

身代金の受け渡しが終わったあたりから、ミステリ的に面白くなってきます。
トリックも地元ならではの地形を生かしたものになっています。ドラマは東京なので、東京タワーになってましたね。

ラストは怪人ワカメ男登場(笑)
で… ―完― って…?
何でそんなにいきなり終わるんでしょう…^^;
始めの偽札作りの社長殺しは…?
妹の詩緒里の手術は…?
2つめの事件を解決しただけで終わっちゃいましたね^^;

ドラマはその点、1つめの殺人を完全カット、原作がすっとばした後日談をきちんと描いている点で評価できます。こちらも、警察が見つけたはずの遺体がなぜか花園組の方にすぐ引き取られてるとか、おかしなところもあったのですが^^;
でも、ワカメをかぶったまま終わった翔太郎が、ドラマではちゃんとワカメを取ってもらってたし良かったです(え、そこ?笑)