うさぎドロップ  監督 SABU

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河地大吉は、祖父の葬儀で祖父の隠し子であるりんと出会います。養護施設に入れるという話を聞いて、思わず自分が引き取ると言ってしまいます。

大吉は松山ケンイチさん、りんは芦田愛菜ちゃん。撮影中も仲良しだったという二人の醸し出す雰囲気はとても温かくて、観ていてほのぼのさせられます。
戸籍上で言うとりんは大吉の叔母にあたるわけで、そのおかしな関係にもクスッとしてしまいます^^

子育ては独身者が考える以上に大変で、保育園に預けたりんを迎えに行くために、大吉は残業のない部署に配置換えを願い出ます。
全く畑違いの部署で、見た目も怖そうなお兄さんがいっぱいの所でしたが、大吉は人柄の良さで、すぐに職場にとけ込んでいてひと安心です^^新しい同僚も、子煩悩なお父さんが多くて、大吉の子育てにアドバイスをくれたりします。

環境が変わって、気丈に見えても子供はストレスを抱えているものです。りんの場合はそれがおねしょという形になって表れます。しっかりした子供であるほど、自分の状況をよく把握していて、気を使ったりしているんですよね。
マルモのおきて」でも、かわいい文房具やランドセルがほしかったのに、我慢するシーンがありました。
大吉が優しくりんに話しかけて、不安を取り除いてやるシーンが好きです^^

大吉には憧れのモデルがいて、いつも彼女が載っている雑誌を見て、一緒にダンスをしている妄想に耽っています^^;松山さんによるとこのダンスシーンが一番大変で、香里奈さんの足を踏んでしまったとか(笑)

実は、そのモデルであるゆかりは、りんの保育園友達のお母さんで、夫を亡くした後1人で息子コウキを育てていました。りんが熱を出しておろおろするばかりの大吉につきそって、病院を紹介したり、看病を手伝ってくれたりします。たくましく生きるお母さんです。

りんとコウキが保育園を抜け出した事件で、大吉とゆかりは2人を探し疲れ、自分たちが親としてどうだったかを振り返ります。
子供が生まれてすぐ親として立派にやれるわけではなくて、子育てしながら親の方も成長していくものですよね。大吉はそれでも最初からかなりがんばっていた方だと思います。
二人とも自分ががんばらなくちゃ…という気持ちで無理してきたところもあったけれど、両親や妹、同僚などたくさんの人に支えられて子育てをしていることに気づいて良かったです^^

台詞がないシーンでも表情で演技している愛菜ちゃんの演技力は素晴らしかったです。1つ1つの仕草や笑顔の愛らしさには胸がきゅんとしました。
松山さんは休憩時間にいつも愛菜ちゃんと遊んでいたそうで、きっとこの映画の通りの素敵なお父さんになるんだろうなと思いました。
親として、子供としてお互いを思う数々のシーンには、思わず涙が…;;
この二人あってこその映画でした。いい映画だったと思います^^