背の眼(ドラマ)

道尾さんのミステリ作品初の映像化です。
新聞のTV欄の下を帯状に占めて、かなり大きく番宣が出てました。

霊現象の探求所を開く真備と、ホラー作家である道尾、真備の助手の凜の3人が、村で起きた霊現象と、児童連続行方不明事件の謎を解きます。

真備シリーズは大好きで、ホラーであることがミステリ的に意味があるこの原作はなかなか読み応えがあります。
今でも亡くなった妻を思い続けている真備、妻の妹である凜、喪失感を抱き続ける2人の心情がシリーズの重要な背景です。

まず配役ですが、真備に渡部篤郎さん、道尾に平山浩行さん、凜に成海璃子さんと豪華です。
原作では真備は女性と間違えられるような美形ということなので、渡部さんはちょっとイメージ違いますが…^^;
でも、真備が抱えている苦悩を渡部さんはさすがの演技力で表していました。
霊感をもつ少年に妻の手紙を見せて、何か感じないか尋ねるシーンは切ないです><

「レエ・オグロアラダ・ロゴ」「ゴビラサ」という謎の言葉は、実際に音声として聞くと不気味な雰囲気をさらに高めてくれますね。原作でも怖かったですが。

ほとんど原作通りで、ミステリ面を重視して作られていて、こけおどしのホラー的な表現がなかったので良かったです^^
登場人物が少ないので犯人はすぐ分かってしまいますが、なぜ犯罪に至ったかというところがこの物語の重要なところです。
原作では真備が京極堂のごとく、ある現象についての蘊蓄を滔々と披露しますが、ドラマではさすがに短めでした(笑)

ラストに、駅にやってきた少年が話した女性の霊のことは、原作では道尾が聞くことになっていたのですが、ドラマでは凜が聞きます。
凜は真備に少年の話について聞かれますが、ごまかして答えません。
いつまでも姉を思う真備を心配する凜の心情が表れている感じがして、こちらの方が良いなあと思いました。

なかなか優れたドラマ化だったと思います。ぜひ「骸の爪」「花と流れ星」もドラマ化してほしいです^^