本屋の森のあかり 10 ,11  磯谷友紀

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大手書店で働くあかりが、周囲の人々に支えられながら書店員として成長していく物語です。

章ごとに本の題名がつけられ、その本のエピソードがストーリーの中で効果的に使われています。
出てくる本は国内物も海外物もありますが、どちらかというと名作と呼ばれる本が多いです。
 
今回読んだ10、11巻で取り上げられている本は、
チップス先生さようなら」 ヒルトン
赤毛のアン」 モンゴメリ
十五少年漂流記」 ヴェルヌ
杜子春」 芥川龍之介
「ものぐさドラゴン」 ケネス・グレアム
「ザ・ロング・グッドバイ」 チャンドラー
三四郎」 夏目漱石
作者の磯谷さんが思い入れのある本なのでしょう。本に対する愛情が感じられて嬉しくなります
読んだことがある本も多いので、その本についての思い出も浮かんできて胸の奥がじんとするような思いを味わいました。

書店の実情もよく取材され、ただ本が好き、というだけではやっていけない大変さも感じます。
でも、本が好きだからこそやりがいのある仕事とも言えるでしょう。
元の副店長である杜三のように、「本のそばにいたくて」という思いを叶えて仕事ができることは幸せだとも思うし、その一方で、仕事と切り離したところで読書を楽しみたいという思いも抱きます。

あかりと杜三の恋愛模様も気になります。あかりは一度杜三に告白しているのですが、人と距離を置きたい杜三に振られてしまいます。
でも、だんだんと杜三の方が、あかりを意識するようになります。

同期の緑と杜三との間で揺れるあかりですが、11巻でその気持ちが一つの方向へ…。
私は緑よりも杜三のキャラクターがとても好きで、杜三とうまくいくといいなあと思っていますが…これからの展開が楽しみです

読み終わった後、本のことが今まで以上に愛おしくなる素敵なマンガです
読書が好きな人ならきっと内容に共感できるのではないかと思います^^