夜の国のクーパー 伊坂幸太郎
架空の国同士の戦争を、猫の視点から描いたファンタジー作品です。
この作品を書くきっかけは北朝鮮のミサイル問題で、伊坂さんが抱いている戦争への恐怖を、書くことで落ち着かせようとしたのだそうです。
このことから感じるイメージとは相反して、死が描かれていても不思議と生々しくないのが伊坂さんのストーリーです。雰囲気で言うと「オーデュボンの祈り」に似ている気がします。
仙台から来た男がたどり着いた見知らぬ場所という設定も共通です。
男は猫から、自分の住む国と隣国である鉄国との戦争についての話を聞かされます。
仙台から来た男がたどり着いた見知らぬ場所という設定も共通です。
男は猫から、自分の住む国と隣国である鉄国との戦争についての話を聞かされます。
登場人物の悪人が分かりやすすぎるほど類型的なのも「オーデュボン~」を始めいつもの伊坂ワールドですね。
クーパーにまつわる伝説が秀逸です。クーパーの不思議な生態、そしてクーパーを退治するために派遣される兵士達。彼らはどこにいるのか、帰ってくることができるのか…。
最後まで兵士のことが気になりましたが、これはわりと合理的な展開になっています。
ファンタジーということを考えると、私としては透明な兵士に活躍してほしかったんですが^^;
最後まで兵士のことが気になりましたが、これはわりと合理的な展開になっています。
ファンタジーということを考えると、私としては透明な兵士に活躍してほしかったんですが^^;
クーパー自体も、なるほどそういうこと!?
男が縛られている出だしから、ある冒険譚を思い出しますが、大陸的なストーリー展開にいつの間にか忘れてしまっていました。
猫が胸に乗って話をするところで、違和感は感じてたんですよね…^^;
男が縛られている出だしから、ある冒険譚を思い出しますが、大陸的なストーリー展開にいつの間にか忘れてしまっていました。
猫が胸に乗って話をするところで、違和感は感じてたんですよね…^^;
話をする猫のトムが、機知と行動力に富んでいて、「長靴をはいた猫」を思い出させます。
その一方「太古からの声」に突き動かされて鼠を追いかける様子はまるで「トムとジェリー」です(笑)
実際、アニメのような描写もあちこちにされていて楽しいです^^
伊坂さんはエッセイにもあるように猫が好きで、猫の愛らしい動作がリアルに表現されているので猫好きにはたまりません^^
その一方「太古からの声」に突き動かされて鼠を追いかける様子はまるで「トムとジェリー」です(笑)
実際、アニメのような描写もあちこちにされていて楽しいです^^
伊坂さんはエッセイにもあるように猫が好きで、猫の愛らしい動作がリアルに表現されているので猫好きにはたまりません^^
人間同士の戦争、猫と鼠の追う追われる関係、支配する側とされる側の縮図が描かれていますが、伊坂さん自身と読者の不安を和らげるかのように、最後にはどちらも希望の見える終わり方になっています。
行き場をなくしたクーパーの兵士達が、「帰ろう」と本当の意味で言えたことが心に残りました。
人は誰でも帰る場所、心の拠り所にする場所が必要なんだなあ…と感じさせられました。
それは家であり、祖国であり…。
伊坂さんの震災での思いがここに投影されているのかもと思いました。
人は誰でも帰る場所、心の拠り所にする場所が必要なんだなあ…と感じさせられました。
それは家であり、祖国であり…。
伊坂さんの震災での思いがここに投影されているのかもと思いました。
全体的にゆったりとした流れで、パズルのピースがパタパタと収まるようなスピード感はありませんが、何だかホッとさせられる、心温まる終わり方が良かったです。
>べるさん
ファンタジーらしい、ゆったりとしたストーリー展開でしたね。
オーデュボンが好きな私には、違和感なく入っていくことができました^^
始めに、あ~あの物語だと思ったんですけどね…忘れちゃってました(笑) 削除
2012/10/13(土) 午後 10:03 ねこりん 返信する .
そうですね。考えが及ばなかったけど(^o^;、ご自身の被災経験もなにかしらの形であらわれてたかもしれないですよね。
こちらからもTBさせてくださいね♪ 削除
前半は、面白いのに読み進まなくてアタフタしてましたがww
後半に、グイグイ引っ張りこまれて騙されてしまいましたね^^こちらからもTBさせてくださいね♪ 削除
2012/10/14(日) 午後 9:15 チュウ 返信する
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私も「長靴をはいた猫」と「トムとジェリー」を連想しました。そしたら、おかしいおかしいとは思っていたのですが、まさかの「○リバー」でしたね
最初の重苦しい雰囲気は読むのが辛かったのですが、最後は伊坂さんらしい温かさに包まれた気がしました。
トラバ返しさせてくださいね♪ 削除
最初の重苦しい雰囲気は読むのが辛かったのですが、最後は伊坂さんらしい温かさに包まれた気がしました。
トラバ返しさせてくださいね♪ 削除
>チュウさん
後半、加速度的に面白くなりましたよね♪
でも、これから何が起きるんだろう…と不穏さを感じさせる前半も、
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でも、これから何が起きるんだろう…と不穏さを感じさせる前半も、
伊坂さんらしいなあと思いました^^ 削除
2012/10/17(水) 午後 8:09 ねこりん 返信する .
>金平糖さん
そうそう、あれ?と思うところけっこうありましたよね^^;
ラストの「帰ろう」という言葉、良かったです^^
帯でちょっとネタバレしちゃってましたが…^^; 削除
2012/10/17(水) 午後 8:13 ねこりん 返信する .
そうそう、縛られているという状況から私もすぐにあのお話を思い浮かべたんですが、なぜ気付かなかったのか^^;と悔しいです。透明の兵士が活躍するお話でも良かったですねえ。どういうカラクリがあろうと、猫が喋る時点でファンタジーですし。 削除
>ゆきあやさん
物語がゆったりしてるので、読んでるうちに疑問に思ってた事も忘れちゃったりして^^;
伊坂さんはほんと仕掛けを仕組むのが上手いですよね、って、単なる自分の記憶力の問題か(笑)
けっこうこれから活躍できそうなキャラでも、伊坂さんは惜しげもなく…ってことよくあるから、もったいないキャラがいるのも珍しくないですね(笑) 削除 2015/4/11(土) 午後 2:11 ねこりん 返信する