禁断の魔術 ガリレオ8  東野圭吾

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立て続けに出た短編集の最新刊です。
前作よりも読み応えのある作品が多かったです。

「透視す(みとおす)」
透視をして湯川を驚かせたホステスが殺されます。
お客を楽しませようとしたことが裏目に出てしまったんですね…
分かってしまえば単純なトリックですが、モモンガ観察とこうつながってくるとは思いませんでした。
草薙の「美人が揃っている」という誘いに反応するあたり、完全にTVの湯川キャラです^^;

「曲球る(まがる)」
全盛期を過ぎた野球選手の妻が殺され、その車には謎の腐食が…。
殺人の方は早々に解決して、車の腐食と野球選手の復帰に焦点が当てられるところがユニークな構成です。

「念波る(おくる)」
双子のうちの1人が殺され、もう1人はそれをテレパシーで感じたと言うのですが。
なるほど、超能力を利用したトリックと言っても、こういう利用の仕方があるんですね。
それにしても湯川は大がかりな協力をしたものですね~。つまりは科学トリックではなくて心理トリックですね。

「猛射つ(うつ)」
この本の半分を占める中編です。
湯川の高校の後輩の姉が亡くなり、後輩は行方不明に。そして新たに殺人が起きます。
二つの事件にどのような関連があるのかと、湯川の後輩への心情がストーリーの焦点になります。
湯川は、後輩が指示しないことに自信があったんでしょうね。父親の話がきっと隠し球だったのでしょう。でも、もし後輩が誤った選択をしたら…。湯川は行動していたかも知れません。
内海も同様に湯川を信じたのでしょうが、警察官としてやはり止めるべきだったのではと思いました。

湯川先生はこれから海外で活躍するんでしょうか?
海外で長編1作分活躍して、それで戻ってくるような気もします←予定を勝手に決める人