CREA 読書特集

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毎年楽しみにしているCREAの読書特集。いつも読書の秋に発売なのに、昨年は出なかったなと思っていたら、今回は春でした。
この読書特集って福山さんの表紙が多いんですよね。春発売ももしかしたら、ドラマ「ガリレオ」に合わせてだったのかも。

というわけで、やはりガリレオ特集と、しかも内海初登場の「落下る」がまるごと掲載されてます。でも、この雑誌を買う人は読んでいる人が多いでしょうし、これを載せるより、もっと作家さんや本の記事を充実させてほしかったなという気がします。

一番気に入ったのは、作家さんがお気に入りの本を持って旅に出る特集です。

綿矢りささんが持っていったのは、
「ゆめみるハワイ」 よしもとばなな
限りなく透明に近いブルー」 村上龍
WORLD WAR Z」 マックス・ブルックス
「厭な物語」  アガサ・クリスティー

「厭な物語」は先日読み終えたばかりで、おお、タイムリー!と思ったのですが、「ゆめみるハワイ」以外は、何ともハワイには不似合いな小説ばかり。ちなみに「WORLD~」はゾンビ小説です。
掲載されていたエッセイによると、「心地よい海風が吹きつける身体は解放され、頭は冴えて想像力がはかどる」そんな中で読む五感を刺激する描写の尖った小説として選ばれたのがこの3冊のようです。
旅先での読書をくり返しているうちに、たどり着いたのがそこなのでしょうね。

グアムには行ったことがありますが、ハワイは未踏の地。いつか行くことを夢見て、綿矢さんおすすめの「ゆめみるハワイ」を買って読んでみることにしました。

米澤穂信さんが出かけたのは静岡県修善寺です。持っていった本は、
「辺境の館」 パスカルキニャール(新幹線を降りるときに座席に忘れたそうです^^;)
「女王蜂」 横溝正史
「旅人は死なない」 リシャール・コラス
現地で買った本が、
修禅寺物語」 岡本綺堂

「女王蜂」は修善寺を舞台にしていることから。そして修善寺と言えば「修禅寺物語」。
「ぜん」の字は二通りの書き方があるそうで、お寺は「修禅寺」、地名は「修善寺」らしいです。

訪れた場所を舞台にした小説を現地で読むというのは、私もしたことがあります。
それは「城の崎にて」(志賀直哉
有名な温泉地であるこの場所に、一度だけ行ったことがあります。川に沿って旅館が立ち並び、外湯巡りをする人々が行き交い、とても風情があって素敵な所でした。
そして、米澤さんと同じように、現地で平積みになっていたこの本を買って読みました。初読でしたが、なかなか暗い本でした^^;でも、旅先でその場所が舞台の本を読むというのは旅情が感じられて良かったです。

修禅寺物語」についての考察も面白かったし、源氏悲劇の地として有名なこの場所を訪れてみたくなる、読み応えのあるエッセイでした。

他に載っていたのは恩田さんの高知、東川さんの立川&八王子でした。

他の特集で意外と面白かったのが、朝井リョウさん、窪美澄さん、柚木麻子さんの飲み会トークです。
直木賞授賞式の二次会の話や、作家同士の関わり方についての話が興味深かったです。

今回は伊坂さんが載っていなかったのが残念だったのと、全体的におしゃれにまとめられすぎて、マニアックさが足りない気がしました。
前回の特集号もまた読み直してみようかなと思います。