陽だまりの彼女  越谷オサム

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奥田浩介は、会社同士の打ち合わせで、中学校の同級生だった渡来真緒と再会します。
勉強ができず、いじめられていた彼女は、仕事ができる魅力的な女性に成長していました。
お互い心惹かれた二人はつきあい始めます。

潤くんと上野樹里ちゃんで映画化されて、10月公開です。
樹里ちゃんは真緒のイメージぴったりですね。読んでて、樹里ちゃんの顔しか浮かびませんでした。
潤くんは…夏虹の大雅のような、素直で真っ直ぐな感じがこの役に近いかなと思います。

3分の2までは甘々な恋愛小説です。でも真緒には浩介に言えない秘密があり…。仲の良さをひたすら見せつけられる(笑)シーンの中、その秘密の持つ影が何となく背後に見え隠れしていて、ただ幸せなだけでは終わりそうにない予感を感じていました。

そして、このラスト。予想していたのとは全然違ってました。十数年前に起きたことが、また同じように起こるのでは…と思っていたのですが。読み返してみると、なるほど、いろいろと伏線がありますね。
ラストについては評価が分かれているようです。確かに思わぬ展開に驚きましたが、真緒の養父母と浩介のシーンのおかげで、ただ奇をてらった物語にならずにすんだと思います。
「~も、親の愛には歯が立たなかったのだ」
という浩介のモノローグに胸を打たれました。

また、ビーチ・ボーイズの歌詞も印象的に使われていて、浩介が真緒を思う気持ちが痛いほど伝わってくるようでした。

ハッピーエンドと言っていいかは分かりませんが、こんな幸せの形もあるのかも…と思います。

読み終わってから、思い浮かべたのはあるジブリ作品です。
設定も登場人物の名前も共通点があると思いました。
名前と言えば、「真緒」っていう名前も、ちゃんと意味があるんですね。

ぜひ映画の方も観てみたいと思います。