冬のフロスト R・D・ウィングフィールド

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相変わらず面白いです!
文庫本上下で約千ページですが、長さが全く気になりません^^

イギリスのデントン署の名物警部であるジャック・フロストの、八面六臂の活躍を描いたシリーズの最新作です。

モジュラージャック型と呼ばれる、1つの事件を追っている間に次々に別の事件が起きる構成です。それらが絡まり、行き詰まり、ほんとにこれ解決するの?と思いますが、最後には見事なほどに解決してしまいます。

名前が冬の妖精だけあって、舞台は冬。
いつもヨレヨレのスーツにレインコート、海老茶色のマフラー…下品なジョークが大好きで、だらしなく、書類仕事が大嫌いなので署長のマレットからは目の仇にされてますが、事件の解決に向けて労力を惜しまない、足で稼ぐタイプの警察官です。
ウィットに富んだ会話が楽しく、人情味あふれるフロストは愛すべきキャラクターです。
破天荒な行動となかなかの推理力は両さんコロンボ÷2という感じでしょうか。

今回フロストが抱えている事件は少女連続誘拐事件、売春婦連続殺人事件、怪盗枕カヴァー、ガソリンスタンド強盗、民家の庭の骸骨事件などなど…次から次に事件が起こるせいで睡眠は2,3時間、ほとんど不眠不休で働くフロストのバイタリティーにいつもながら脱帽です。
偶然とツキに恵まれることもある事件解決も、これだけがんばってるフロストへの神様のご褒美なのかも?(笑)

そして、フロストのお荷物になる新キャラの〈タフィ(芋にいちゃん)〉ことモーガン刑事。
女性にはすぐに色目を使い、飲酒運転で事故を起こすは、捜索をいい加減にして見逃すは…。
そして最後にはとんでもない重大な過失をしてしまいます。
でも、フロストは怒鳴り散らしたくなる気持ちを抑えて、失敗をかばってやり、そんな失敗をさせた自分自身を責めます。実はいい上司なんですね。
でも、事故を起こした時点で、逮捕されたほうが良かったです>< この人がいるせいで、大変なことになるんですから…。フロストが良かれと思ってしたことでしたが、裏目に出ましたね。

事件に追われ、経費のことでマレットからは叱責され、しかも、無能な部下まで抱えているなんて、フロストの苦労は今まででも最悪の部類のはずですが、飄々とした態度で流すところは流し(おもにマレット関係)ジョークを飛ばしつつ乗り切る様子で、物語が重くならないのがこのシリーズの良いところです。

売春婦連続殺人事件の犯人…これが納得できませんでした。
いったいどういう動機なのか…。
そしてリズ・モード部長刑事には受難の回でした。
秋風が立ち始めたはずのバートン刑事が、彼女のために必死になってくれたことが唯一良かったです。

作者が亡くなったため、このシリーズもあと1作。
次が出るまで何年も間が空くので待ち遠しいですが、出てしまうともう次がないので寂しいです。


これスタンバってますよ。読むのが楽しみです。相変わらずのおもしろさみたいですね。 削除
2013/8/24(土) 午後 6:36 beck 返信する
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>ベックさん

このシリーズは訳が素晴らしいですよね
海外物なのに、読みにくさというのが全くない、楽しみながら読める
本です^^ 削除
2013/8/27(火) 午後 6:52 ねこりん 返信する
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お久しぶりです^^。
ようやく新作出ましたよね!わたしも今手元に来たところで読むのが楽しみです。
年々分厚くなっていってる気がするんですが^^;、ねこりんさんのご感想を読んで大丈夫そうかなと。楽しみに読みたいと思います! 削除
2013/8/27(火) 午後 9:57 lime 返信する
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>limeさん

フロストと聞けば、limeさんがいらっしゃると思ってましたよ
一度このシリーズを読んだら、何年経っても次を待ち続けるのは間違いないですよね
今頃limeさんも新作にはまっていらっしゃることでしょう^^
ラストの一作はどれほど分厚いのか…ラストだから思いっきり厚くてもOKです 削除
2013/8/28(水) 午後 6:27 ねこりん 返信する