ブレードランナー  リドリー・スコット

なんで今「ブレードランナー」なのか?「インディ・ジョーンズ4」を見て、若い時(と言っても40歳)のハリソン・フォードを見たくなった…ということと、この映画、TVで見たことがあるのですが、いい加減に見ていたのか、年月がたったからか、おおよその展開しか覚えてない、ってことからですw

他の星で仕事をしていたレプリカントという人間そっくりの人造人間が、反乱を起こして地球に逃げてきたために、それを狩る「ブレードランナー」のデッカードが派遣されます。レプリカントは人間を超える能力を持っているために、それを危ぶんだ設計者のタイレル博士はレプリカントの寿命を4年に設定していました。

生き延びたいと願うレプリカント達の苦悩と、仕事だから、と言いつつそれを疑問に感じずにはいられないデッカードレプリカントと知りながらレイチェルを愛してしまう彼の心の揺れなどか語られます。

これは、ルトガー・ハウアーにやられましたね。ハリソン・フォードも渾身の演技を見せていると思いますが、レプリカントの悲哀をこれほどまでに印象づけられる演技もなかなかないでしょう。ラストにハウアーが、これまでの4年間の人生の思い出を挙げたあと、「そういう思い出もやがて消える…時がくれば…涙のように…雨のように」と言うシーンには泣かされます;;この映画は最初から最後までずっと雨が降り続いているのですが、最後の台詞が生きてきますね。

映画をみたあと、関連するサイトをいくつか見たのですが、「ブレードランナー」には編集やエンディングの違うバージョンが5つもあると知りました。私が見たのはディレクターズカット版で、ラストが監督の最初の意向通りになっています。別バージョンの方も見てみたいです。
公開時がちょうどE.T.と重なり、そっちに観客が流れたのと、ハリソン・フォード主演ということで「スター・ウォーズ」や「レイダース」のような明るい映画を期待した観客が、内容に陰鬱さを感じたために、興行的には全くふるわなかったそうです。
でも、CGを全く使っていない最後のSF大作と言われているようですし、今では非常にカルト的な人気を誇っているということです。実際、この映画のためだけのブログがいくつかあり、ファンの熱狂ぶりがわかります^^

この原作、フィリップ・k・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は読んだことないのですが、映画とどれくらいの共通点があるのか気になります。