雀蜂  貴志祐介

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雪の山荘で目覚めた小説家の安斎は、山荘内に雀蜂の大群がいることを知ります。前に蜂に刺されたことがあり、命の危険を感じる安斎は、生き延びるために戦うことに。

ひさびさに角川ホラー文庫から出た、昆虫サバイバルホラー&ミステリです。
読み始めてすぐに思ったのが、これは自作のパロディだな、ということです。主人公も小説家という設定ですし。貴志さんは、防犯探偵榎本シリーズでも、他の短編にはあまりにそぐわないおふざけ路線の作品を載せていますが、そういうのが好きなんでしょうね(笑)

安斎の作品名を見ても、
ヴァーミリオンの迷図」→「クリムゾンの迷宮」
「死神のノック」「死神の羽音」→「天使の囀り」
など、元が分かる物も。
「ダークな作風がマンネリに陥っていると言われ…『死神のノック』も一部で酷評」
っていうのも、もしかしたら実際に貴志さんが経験されたことなのかも知れないと思いました。
作中作の昆虫童話のダークバージョンも、これでもかっていうくらい救いがなくて、気持ち悪さを追求した「天使の囀り」に共通するところがあるように思います。

「クリムゾンの迷宮」でもあった、マクガイバー的な身の回りにある物を使ってのサバイバルは、なかなかわくわくさせてくれます。

最後まで雀蜂と戦って、そして安斎をはめた人間と全面対決…と思ってましたが、そう簡単には行きませんでした。
裏表紙にある「ラスト25ページのどんでん返し」これをどう見るか…。
ここに来て、雀蜂との戦いはどうでも良くなっちゃったみたいですね^^;
それまでの伏線にはなるほどなあ…と思いましたが。
私は、最後までサバイバルで押し通して欲しかった気がします。

たぶん本作は、貴志さんの息抜き的作品だと思うので、次の大作期待してます^^





この本は見送ろうと思ってます^^。「ダーク・ゾーン」もそうでしたが。 削除

2013/11/24(日) 午後 6:40 beck 返信する
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確かに息抜き的作品でしたね。というより、手抜き?wトラバしますね。 削除

2013/11/24(日) 午後 9:01 あややっくす 返信する
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>ベックさん
新幹線で移動中読んだのですが、手軽に読めるので良かったです。
貴志さんもたぶん、そういう手軽さを狙ったんじゃないかという気がします。 削除

2013/11/25(月) 午後 7:36 ねこりん 返信する
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あややっくすさん
ずっと深刻なのばっかり書いてると息がつまるんでしょうね^^;
どんでん返しは今ひとつでしたが、それまではけっこう面白かったです。 削除

2013/11/25(月) 午後 7:51 ねこりん 返信する
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遅くなりましてすいません(ヘコヘコ^^;)。ほぼ同じような感想になりましたね。どれがどの作品のパロディなのか書いてもらっていて助かりました。 削除

2014/4/12(土) 午後 7:12 ゆきあや 返信する
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>ゆきあやさん

この作品については、どの書評を見てもだいたいこんな感じですね^^;
鍵部屋か、「新世界より」のようなSF寄りの作品がまた読んでみたいです。 削除

2014/4/13(日) 午後 9:58 ねこりん 返信する