アメイジング・グレイス  監督 マイケル・アプテッド

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イギリスの奴隷貿易廃止のために生涯尽力した、ウィリアム・ウィルバーフォースの半生を描いた作品です。廃止200周年を記念して制作されました。
タイトルは有名な賛美歌ですが、奴隷船の船長だった牧師が、自分の過去を悔いて作詞したという背景は初めて知りました。
この牧師は、映画でもあるように、実際にウィルバーフォースとの親交があったそうです。

ウィルバーフォースを演じているのは、ヨアン・グリフィズ
一目見た時から思っていたのですが、V6の岡田君に似てます。岡田君が演じていてもおかしくないと思ったくらいです。周りがいかにもイギリス顔の俳優で固められているので、とても目立ちます。そして彼が歌う「アメイジング・グレイス」の美しいこと!できればラストでもう一度歌ってほしかったです。

彼を支える友人でありイギリスの首相であるウィリアム・ピット役にベネディクト・カンバーバッチ。実際のピットの肖像に似ていて、育ちの良さを感じさせる雰囲気が良いです。
ピットは24才で首相に就任したそうで、優秀すぎるほど優秀な人だったんですね。そんなところも、ベネさんに似合っている気がします。

プランテーション奴隷制度によって支えられているという認識が議会では多数で、初めはほとんど1対他という状態でした。そんな中、ウィルバーフォースは声を大にして戦います。そんな彼の姿がとにかく熱い!です。
奴隷貿易の廃止法案を何度も出しますが、却下、却下の連続です。でも、彼はあきらめません。署名を集め、実際の奴隷船に議員を案内し、奴隷の悲惨な状況を語り…。
奴隷を経験したアクィアノや、廃止論者のクラークソンの協力を得て、少しずつ支持者を増やしていきます。

ピットは首相という立場上、表だって支援はできないものの、彼の相談に乗り、活動を後押ししてくれます。
若い2人がただの友人としてふざけておいかけっこをしている姿の初々しさは必見です。
2人の白のブラウスが爽やか^^
ウィルバーフォースが目前の目標のみに向けて突き進むタイプなのに比べ、ピットは常に大局を見て考え行動するタイプだと思います。時にぶつかり合うこともありますが、ウィルバーフォースの真の理解者はやはりピットですね。
ウィルバーフォースが画期的な法案を考えてピットに相談した時、ピットが
「それは気がつかなかった」
と言ってウィンクする様子がキュートです^^

ウィルバーフォースの妻となるバーバラは以前から彼の法案に賛成してきた1人です。男性だったら政治家になってたんじゃないかと思わせる強さがあります。その思いが彼に通じたのか、出逢って二週間というスピード結婚だったらしいです。
二人の会話がほとんどいつも政治論だというところが面白いです。

奴隷貿易廃止への土壌も固まり、ついに20年間の尽力が実を結んで法案が通った時には、感動しました。ただひたすら地道に努力を重ねてきた彼の実直さと熱意に胸を打たれました。
しかしこの時彼のかたわらにピットの姿はなく…。
誰よりも彼の成功を喜んでくれたことでしょうに…。それが残念です。

派手なシーンは特にないのですが、信念をもってやり遂げることの素晴らしさを教えてくれる、見終わった後は前向きな気持ちになれる良い映画でした。