フィッシュストーリー  伊坂幸太郎

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ちょっとネタばれ気味かもです。ご注意を^^;


4つの短編の中では「ポテチ」が一番好きです。
コンソメ食べたい気分だったんだけど、塩は塩で食べてみるといいもんだね。間違えてもらって、かえって良かったかも。」
この大西の言葉が今村には自分の存在価値に関わるような言葉だったんですね。なんで「ポテチ」なのかなあと思っていましたが。

最後の球場でのシーンは予想できるものの、今村の思いやラストの大西の「だって、ただのボールが…」の台詞に涙が出ました。
クールな黒澤が、今村のために果たす役割もいいですね^^「今日は大安であるし…」は受けました(笑)サクリファイス」より、黒澤らしさが出た内容だったと思います。黒澤は好きなキャラクターなので、これからもいろんな話に顔を出してほしいです。
それと、世によく知られた定理を知らず、自分で発見してしまう今村、いい味出してます(笑)前に発見したのは万有引力の法則でしたね。

「フィッシュストーリー」は、話の中に出てきたように、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」ストーリーです。テープの間にある無音部分が、こんな風につながって行って最後には世界を救うとか…伊坂さんの想像力はすごい!一つ一つのストーリーが、それだけで短編にしちゃえば?というようないい話なんですよね…。でも、それが全部つながると、「お~!」と声を出したいような気分になりました^^

「動物園のエンジン」は叙述トリックがさえてますね。伊坂作品にはカットバックという手法がよく使われていて、今は誰の話なのか分かるように、章ごとにアイコンのような小さな絵が使われていることがありますが、この話はそのアイコンにもトリックが…。

サクリファイス」は正統派ミステリーです。でも、正統派すぎて、伊坂さんらしさは薄まっている作品かなあと感じました。でも、唄子との会話「あんた、ほんとに90歳か。」のくだりの黒澤の顔を想像すると笑えます。トリックよりも、そういう小ネタの方に関心が行ってしまいました^^;

そして、なんと映画化されるそうです!(知らなかったのは私だけだったりして…)来年の春公開らしいですね。タイトル作品だけの映画化なので黒澤は出てこないみたい…残念^^;監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」と同じ中村義洋監督で、バンドメンバーの一人を伊藤敦史さんが演じるそうです。楽しみです^^



顔アイコン

やはりポテチのあのシーンは良かったですよね!
大好きな黒澤がたくさん出てきて、うれしかったです(笑)
映画の話は知りませんでした。黒澤はでないんですかあ。。。
でもイメージがくずされるよりもいいかもしれません。
こちらからもトラバさせてください。 削除

2008/8/13(水) 午前 9:44 [ テラ ] 返信する
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>テラさん
いつか映画版の黒澤も見てみたい気がします^^誰がいいかなあ…
クールだけど、ちょっととぼけた味わいのある人がいいですね。オダジョー?う~ん
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2008/8/23(土) 午前 10:32 ねこりん 返信する
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伊坂さんの作品は全てがリレーのように繋がっている物語が本当に多く、繋がりを探すのも楽しみの一つです。
物語から飛び出した脇役たちが、立派に主役の看板をはり、大活躍していて嬉しくなりました。
トラバさせて下さいね。 削除

2008/9/11(木) 午後 0:34 金平糖 返信する
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黒澤ファン大喜びの短編集でしたね。他の登場人物もそれぞれ印象的でとても心に残った本です^^ 削除

2008/9/11(木) 午後 0:56 ねこりん 返信する
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「フィッシュストーリー」はかなりツボに嵌まった作品なので映画化は気になるところです。
伊坂作品を読むようになってこういった展開を見せる作品が好きだという自分に気づきました^^「ポテチ」も良かったのですが今村がかわいそうな気持ちになってしまいちょっと読むのが辛かったです、TBさせてください。 削除

2008/10/12(日) 午前 0:42 hayaton 返信する
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>はやとんさん
一つ一つのエピソードがつながって、最後にぴたりと着地するのが気持ちいいですね^^
映画のサイトでは、バンドの演奏している部分だけが映像で見られます^^; 削除

2008/10/12(日) 午前 9:32 ねこりん 返信する