ミラクル昆虫ワールドコスタリカ  西田賢司

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子供の頃、図鑑の中でも特に昆虫図鑑を愛読していた私は、男子と一緒に虫取りに行くほどの昆虫少女でした。幼虫を飼って、蝶や蛾になるまで育てた事も数知れず。でも、大人になると残念ながら、幼虫には少し背筋に寒気が走るようになってしまいましたが…。

美しい虫と言えば玉虫。生きていて自然の中にいる玉虫を見た事がありますか?私は人生で3度あります。2回目の時は二匹で一緒に飛んでいて、青空をバックにキラキラ光りながら飛んでいく美しさは忘れられません。

さて、本題。そんな虫の魅力にとりつかれて、コスタリカに移住して調査研究を続けている昆虫学者が、作者の西田さんです。
昆虫の新種は毎年のように発見されていて、もしかしたら生物の中でもっとも多様かも知れません。特にコスタリカは宝の山でしょうね。

美しい昆虫の中で気に入ったのが、ガンダムの「ハロ」に似た(見かけだけは知ってる)マンマルコガネ。緑の金属光沢で、柔らかいお腹の部分を完全にダンゴムシのように隠して丸まることができるのです。
クチブトゾウムシの、緑のラメ状の斑点模様は、蝶の羽のように鱗片でできていて、はがすとパールのようにキラキラしているのだそうです。
ここまでキラキラしてると目立って敵に狙われないのかな?と思いますが、自然の中にあるとかえって溶け込むんでしょうか。または、警告色(毒があるぞ、危ないぞと見せかける)なのかも?

形がユニークなのは、頭がお皿状に平らになったアリ。巣の入り口を、外敵が入らないように、この頭でふたをしているのだそうです。1つの巣にいる同じ種でも、役目によって形態が違うのだとか。
擬態できる昆虫のうち、コケに擬態するナナフシがすごいです。ほんとにコケを生やしているように見えるのですが、これはもともとある突起物だそうです。それで、その体とそっくり同じコケの場所に住んでいます。信じられないほどコケに似てます。

あと、花にそっくりの虫こぶを作る蛾がいて、こんな華やかな虫こぶを作る事にも何か意味があるのかも知れませんね。

昆虫だけでなく、合間にコスタリカの動物や鳥も顔を出しています。ハナグマのピソちゃんがかわいい!

写真も文も全部西田さんで、とっても昆虫愛が感じられて、見ても読んでも楽しめる本です。こんなに素敵な昆虫本もなかなかないと思うので、ぜひ昆虫好きの方、そうでない方にもに手にとって頂きたいです。