ばけもの好む中将(参)天狗の神隠し  瀬川貴次

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怪異が大好きな変わり者の中将宣能と、彼に気に入られた中流貴族の宗孝のコンビが、怪異の噂を追うシリーズ第三弾です。

今回のキーワードはずばり「茸」。
自称「本とキノコを愛する会」の会長としては、これは見逃せません。
宗孝の二の姉(十二人の姉のうちの二番目!)が見たという「踊る茸の精」を探す「茸―くさびら―」は、キノコ好きでなくても分かる結末なのですが、これは単なる前振り。
2~4話でも重要なアイテムとして登場します。

また、弘徽殿の女御に接近する謎の天狗、行方不明になっていた琵琶「獅子丸」が見つかり、お披露目の会が開かれることなど、いくつかのエピソードがリンクして読み応えがあるストーリーとなっています。

怪異を愛してやまないのに、なかなか本当の怪異に出会えない宣能ですが、ストーリー的に怪異を否定しているのではなくて、さりげなく不思議さを残しているところが良いですね。

十二人の姉の中で、今回はどの姉が登場するのか?というのも楽しみです。
母親よりも年上の一の姉が、意外な役どころで活躍します。

宮中の花、4人の煌びやかな中将のうち、光源氏の再来と言われるほど美しく色好みの宰相の中将雅平、何だか気に入ってます(笑)
その場の雰囲気を変えてしまうほど雅な物言いと振る舞い、でも自分に酔いすぎてちょっと勘違い男で浮いてる感じが風祭警部を思い出したりして(笑)
今回もいい味出してます^^

あと、「陰陽師」の登場人物も話題に上ります^^ファンには嬉しいですね。

このシリーズ、表紙もいいですよね。平安らしい雅な雰囲気もありつつ、主役の二人はほのぼのとかわいらしくて。
第四弾ももう出てるので、次も楽しみです^^