悪夢の行方 「読楽」ミステリアンソロジー

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表紙に梓崎優さんの名前を見つけた途端、即買いしてしまいました。
読んでみると、梓崎さんの作品以外は警察小説で、梓崎さんの作品がぽんと浮いてる感じです。もちろん、突出してるという意味でもあるのですが。
徳間文庫って警察小説のイメージがあるんですが、私の思い込みでしょうか^^;

「ふたつのシュークリーム」 伊岡瞬
事件現場に残された二種類のシュークリームについての謎解きはなかなか面白かったですが、犯人推理が短絡的すぎてバタバタしてるのが惜しいです。

逢魔が時」  黒崎視音
ひみつのアッコちゃん的展開&某有名事件のコラボ。主人公の幼さと、事件の推理のハードさがミスマッチですね(笑)

「嘘つき鼠」 梓崎優
ボスニア・ヘルツェゴビナクロアチアという紛争地域で、妹に会いに行く兄弟を描いています。クロアチアに飛び地があること、ボスニア・ヘルツェゴビナに一カ所だけ海と接している街があることなど、その国の情勢や地形を最大限に生かしています。殺伐とした場所でありながら、全編に流れる詩情はさすが梓崎さんですね。

「連鎖」  高嶋哲夫
現実にありそうな犯罪が、ありそうな感じで連鎖する話。現実的すぎて暗くなります。

「出戻り」  西村健
過去に詐欺事件を働いた刑事が戻りたくない街に戻ってきます。犯罪がばれないか気が気ではないのですが…
う~ん、苦手なタイプの話かも。ろくでもない人間が、どうしようもない結末を迎える話ですが、スカッとする感じでもないんですよね…。

日本の警察小説って何でこんなにドロ臭いの!ていうか選者の趣味でしょうか…。
そんな中、孤高を保ってる梓崎さんの作品です^^;