マイコフィリア きのこ愛好症  ユージニア・ボーン

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自称「本ときのこを愛する会」会長の私が、表紙に一目惚れした本です。赤の箔押しがキラキラして、もう、きのこの楽しさ満載!って感じじゃないですか。
嵐の大野くんがドラマで演じてる役が、きのこが趣味っていうことで、部屋にきのこ本がずらり、きのこ検定の認定証まで飾ってあるという嬉しくなっちゃう設定なんです。きのこ検定のパンフレット、実は私も持ってます。受けてませんが。

さて、この本を読むと、きのこに魅入られた人々が世の中にはどれほどいるのか…という気持ちになります。それだけきのこ一筋の人ばかり出てきます。中には自作のきのこの歌を何曲も作って歌う人まで^^;
作者は、始めはただ採って食べたいということから始まり、そのうちに様々なきのこ好きの人々に出会って影響を受け、そのうちに菌学会にまで顔を出すようになったという人です。きのこだけでなく、菌全般にまで興味を持つようになったようです。

海外で人気のきのこNO.1はアミガサタケらしく、その発生場所を巡ってきのこハンター同士がしのぎを削るのだとか。火災の時に熱によって胞子を飛ばし、そのため、森林火災のあとなどに大量発生することがあるそうです。
食べた事はないのですが、旨みがあって歯ごたえも良いということで、一度食べてみたいものです。

マツタケ(アメリマツタケ)もそれなりに人気ですが、おもにビジネス(日本への輸出)として収穫されることが多いようです。作者はおいしいと書いていましたが、海外では「土くさい」と苦手な人も多いようですね。
マッシュルームやトリュフにもページが割かれていますが、やはりアミガサタケについて以上に熱意が感じられるものはないです。

きのこの栽培、きのこの栄養、薬としてのきのこ、幻覚剤としてのきのこなど、様々な側面から考察していますが、実際に自分で幻覚きのこを試した話など、そこまでやる?という感じです。きのこ好きが高じて、もうきのこ狂っていうレベルまで行ってしまってますね。上には上がいるものです。

きのこを楽しむということから、学術的な側面まで、あらゆる面を網羅している濃い本でした。でも、読んで一番楽しかったのは、やはりきのこ狩りのところです。私が好きなのは自然の中にあるきのこで、それを宝探しのように見つけるというところに魅力を感じるのです。たとえ食べられないきのこでも、毒きのこでも、自然の中のきのこは美しいです。栽培しているきのこじゃ、やっぱりそういう喜びは感じられません。
この本を読んで、きのこについての自分の嗜好が改めてはっきりしたという感じです。