ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人  今野敏

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山吹さんの専門である毒物の話が読みたくて、色シリーズをちょっとお休みしてこちらを。連続ドラマの第一話になっているのですが、観ていたはずなのに全く内容を思い出せず…先ほどドラマを観直してみると、設定や登場人物がずいぶん違っていて驚きました。

公園で遺体が発見され、胃の状態から、フグ毒を使った殺人であるとSTは判断します。そして、別の公園でまたも同様の遺体が発見され、2人はアナウンサー八神秋子のファンとパパラッチだったことが分かります。

一方秋子は、恋人の岩谷に、自己啓発セミナーであるSCアカデミーの主催者、白鷺を紹介されます。大学時代、白鷺主催のイベントに参加したことがあった秋子は、彼に親しみを感じて、セミナーに参加することにします。そして次第に心惹かれていくように。

殺人事件の捜査と、秋子と白鷺のセミナーが並行して語られ、二つがどう関わっていくのかが見所です。

山吹が、仮死状態にした人間を生き返らせるゾンビパウダーについて語るところは面白かったですが、もっと活躍するところがほしかったですね。
ゾンビパウダーについても、ドラマのように死体が生き返って歩き出す劇的なシーンはなかったですが、怪しいセミナーにふさわしい使われ方をしています。

色シリーズより前の話なので、キャップの百合根も、警部補の菊川も今ひとつSTへの信頼がないですね。それがだんだん変わって行くところが見られるのもこのシリーズの面白さです。

ドラマで大きく違うのは、白鷺とSCアカデミーが全く出てこないことです。宗教っぽい感じが『黄の調査ファイル』テレビ業界を扱っているところが『青の調査ファイル』と似ているので変えられたんでしょうね。秋子の職業もファッションモデルに変更だったし。
白鷺はすごく印象的なキャラで、これを演じるのは鈴木一真さんしかいないと思って、ずっとそのイメージで読んでましたが、鈴木さん、黄のファイルのドラマ(第4話)にもう出てましたね(笑)

次は色シリーズで残っている『緑の調査ファイル』を読みたいと思います。