忍びの国  監督 中村義洋

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最強の伊賀忍者と称される無門と、織田信雄(のぶかつ)率いる織田軍との戦い(天正伊賀の乱)を描いた物語です。また、無門と最愛の妻お国のラブストーリーでもあります。
 
映画の前に舞台挨拶のライブビューイングがありました。
大ちゃんが全国の観客に向けて話しかけてくれたり、みんなで三本締めを合わせてやったり、ライブ感が楽しかったです^^

さて、映画です。ネタバレありますので未見の方はご注意下さい
 
 
 
 
 

言うまでもありませんが、大ちゃんが素敵すぎる
アクションのキレキレっぷり、さすがです。ワイヤーアクションだって、空中姿勢を美しく保持するのって難しいと思います。細いけどしなやかな筋肉で、それを可能にしているんですね
そして、「川」と呼ばれる接近戦のシーン。次郎兵衛(満島くん)とのシーンではコミカルに飄々と。平兵衛(鈴木さん)とのシーンでは殺気と凄みを目に宿らせて。同じ「川」でもこれほど違う大ちゃんの演技に鳥肌が立つほどでした。
努力を人に見せない大ちゃんの殺陣の完璧さ、それを受けて立つ鈴木さんも素晴らしかったです。鈴木さんは大ちゃんとの身長差をカバーするためにずっと中腰だったので大変だったでしょう。この殺陣は歴史に残る名シーンではないでしょうか

前半はお国とのやりとりなど、コミカルなシーンが多く、大ちゃんが一言話すたびに、観客から笑いがおきてました。やっぱりライブビューイングに申し込むくらいだから大ちゃんファンが多いんでしょうね。みんな反応が良かったです

原作では、お国をさらった時1度だけ情を交わしてるので、そのシーンが出てくるんじゃないかとドキドキしましたが、なかったのでホッとしました^^;
一生懸命頼み込んでる様子がかわいかったです。無門、お国に対しては敬語になるぐらい尻に敷かれてるんだけど、大ちゃんが言ってたように、可愛いんだろうなあ…。
でも、そんなお国に対してさえ、平兵衛との一騎打ちから戻ってきた後は素通りしたくらいなので、それぐらい彼を変えた出来事だったのですね。
全く人の死に心を動かされなかった無門が、平兵衛の思いに共感し、同情の言葉を口にしたところにグッと来ました。原作でも好きなシーンです。

お国が吹き矢にやられるシーン、無門の慟哭に胸を衝かれました.前半のいつも余裕の笑みを浮かべていた無門と打って変わっての、心の底からの叫び。
ここで初めて、無門は幼少の頃売られてきた子供で、自分の名は知らないことが明かされます。あの、売られてきた子供のシーン、「ねずみ」と呼ばれていた子供ではなく、無門だったのですね。自分の事を知らない寂しさ、親を知らない悲しみを背負ってきた無門にとって、お国は初めての「一緒にいてほしい」と思える相手だったのでしょう。

ラストシーンで、「ねずみ」を引き取って育てることにしたところ、あのまま一人きりでいる無門を見るのはつらかったし、人の心を取り戻した無門がとる行動としては自然な流れだな、と思いました。

他の登場人物ですが、何と言っても伊勢谷友介さんの日置大膳です。かっこいい!5人でないと引けないという強弓を軽々と引く猛将であり、武士としての道理を通す、まさに男の中の男です。立木を射貫くシーン、迫力がありました。伊勢谷さんってほんと存在感ありますね。時代劇にぴったりです。

知念くん演じる、織田信長の次男信雄。信長という偉大な父を持ち、自分にはカリスマ性も実力もなく、年上の家臣達に見下される苦悩を吐露するシーン、大ちゃんも褒めてましたが、心情がすごく伝わって来ました。知念くん、ほとんどの台詞が怒鳴ってるか叫んでるかだったので、たぶんそんな事は日頃ないと思うし大変だったでしょう。
寝所に大ちゃんが来るシーン、無門の底知れぬ怖さに思わず気おされたというようなことを知念くんが言ってましたが、でも、距離の近さにドキドキしたとか…さすが自他共に認める大野ファンですね。

そうそう、大ちゃん、劇中で歌を歌ってくれてるんですよ
作業しながらの鼻歌だったのですが、けっこうちゃんと歌ってるので、美声と歌の上手さがよく分かりますファンへのサービスでしょうか

原作の印象的なシーンは網羅してたし、大ちゃんの無門はほんとに魅力的でした
大満足です!