きのこくーちか  新國みなみ

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「くーちか」とはロシア語で「仲間」という意味です。

ロシア人で雑貨店の買い付けをしているワーニャと、きのこが大好きで、きのこ雑貨を作っていて、個展も開いているゆん太の同居&きのこ生活を描いています。

まず表紙に惹かれました。ベニテングタケ、アンズタケ、アミガサタケ、キヌガサタケなど、リアルだけどかわいいきのこ達に囲まれて、きのこ料理を食べているワーニャ達の様子が何とも愛らしいのです。

ワーニャは日本で結婚しましたが、その後離婚して孤独を感じている時、ゆん太との同居で救われます。

ゆん太の部屋はきのこグッズや作品で埋め尽くされ、まるで水玉にこだわり続ける草間彌生さんのようです。
なぜゆん太がきのこ好きになったかという、心温まるエピソードも描かれています。

さらに、ゆん太の作品の大ファンで、きのこ大好きの女子高生紅(べに)も登場して、2人と時々行動を共にします。

しかし何といっても主役はきのこ!毎回タイトルはきのこの名前です。
オニフスベ、ベニテングタケ、ヤマブシタケ、どんこ、なめこ、タマゴタケ、ヒラタケ。
毎回ちゃんと食べるシーンがあるのが嬉しいです。レシピが載ってる回も。

きのこはスーパーで買う回もありますが、楽しいのはきのこ狩り!なめこを採って、すぐにバター醤油焼きにするのとか、もう香りが漂ってきそうです。
なめこと鮭の炊き込みおにぎり野沢菜入り」めちゃ食べたいです。天然物はぬめりが少なく香りが良いのでおにぎりに向いてそうですね。
他にも、ヒラタケベーコンピザとか最高においしそうでした。

きのこときのこ料理を通して、ワーニャとゆん太が居心地の良い空間を見つけていくところ、よしながふみさんの『きのう、何食べた?』を思い出しました。

きのこへの愛情があふれていて、きのこ好きにはたまらない本だし、キャラクター同士の関係もほのぼのしていて癒されます。
きのこ好きならもちろん、そうでない人にもおすすめのマンガです^^