ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~ 監督 滝田洋二郎

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佐々木(二宮和也)は、死を前にした人間が最期に望む思い出の料理を作ることを生業にする料理人です。
しかし、彼の元に、あるレシピを探してほしいという依頼が舞い込みます。
それは、戦時中の満州で、満漢全席を超えるフルコースのレシピを作成することを軍から請われた、山形(西島秀俊)という料理人が考えた、渾身のレシピでした。
レシピの行方を探るうちに、山形や、彼を取り巻く人々の思い、そして佐々木自身に関わることなど、さまざまなことが明らかになっていきます。

原作を読んで、過去パートと現代パートを行き来する壮大なミステリーは読み応えがありましたが、レシピのうちわずかしか作るシーンがないことに物足りなさを感じていました。

しかし、映画では美しく美味しそうな料理が次々と披露され、大満足です。料理はやはり目でも味わうものなのだな、と改めて感じました。
完成品だけでなく、もちろん作る様子や試行錯誤する様子も描かれていて、観ているだけで楽しかったですが、西島秀俊さんは大変だったでしょう。

この映画、どちらかというと過去パートに重きが置かれているような気がしたので、西島さんがとても印象に残ります。助手の料理人達(西畑大吾、兼松若人)との関わりも良かったです。料理の写真を撮って、レシピ作りに一役買った妻の千鶴(宮崎あおい)の内助の功も心に残りました。

ニノも料理シーンがいくつかあるのと、自分について知ってからの演技が特に印象に残りました。あと、佐々木の友達で、今回のレシピ探しにも関わってくる柳沢(綾野剛)が良かったです。

料理シーンの数々と、役者さん達の名演技あって、原作以上の感動作に仕上がっています。エンドロールのバックで、山形の料理と、それを自分流にアレンジした佐々木の料理が交互に紹介されるのがまた素敵なので、ぜひエンドロールまで観てほしいと思います。