きのう何食べた?  よしながふみ

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よしながさんの「大奥」に衝撃を受けて、他の作品も読んでみようと思い、読んだのがこれです。

一回分の話の7割が料理シーン、時には9割が材料選びと料理シーンのこともあります。「美味しんぼ」や「クッキング・パパ」もびっくり、という感じです。

主人公筧史朗はハンサムな弁護士でゲイ。美容師である矢吹賢二と暮らしています。でも、その手のシーンは全くなく、史朗が賢二に毎日おいしい料理を作る様子がメインです。男の料理!みたいな豪快な物ではなくて、主婦が安い材料を選んで買い、余り物を上手に使って料理をするような感じです。しかも、一品料理ではなくて、栄養バランスを考えた一汁三菜的な、完成された献立として作るのです。
たとえばある日の夕食は…
「なすとピーマンと豚肉の味噌炒め」「にんじんとセロリのかりかりじゃこ炒め」「玉ねぎ、みょうが、おかかの冷ややっこ」「とろろ昆布の吸い物」
普通に家庭で作れそうな物ばかりですが、これがおいしそうなんですよね~。
手順や、調理のポイントまで詳しく載っているので、作ってみたくなります^^

賢二が史朗と一緒に料理を幸せそうに食べるところでほぼ毎回終わっています。
長い料理シーンと、弁護士としての日々や、周囲の人々との関わりなどがほのぼのとしたタッチで描かれています。

別にゲイでなくてもよさそうなものですが、料理なんてしそうにないように見える史朗が、抜群の手際で料理を作るところとか、男同士の、物にこだわらないさっぱりした空気とか、そういうとこはなかなかいいな、と思います。

大切な人においしい物を作ってあげたり作ってもらったりして、一緒に食べたら少しぐらいの嫌なことは忘れちゃう、それがこのマンガのテーマなのかな、と思います^^