太陽の塔  森見登美彦

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初モリミー作品です。モリミーなんて親しげに言ってますが、彼が京都大の学生だったことも知りませんでした^^;

別れた彼女をストーカーしている森田の、妄想に満ちた日々を描いた作品です。
全編を通して、彼女いない→彼女ほしい→でもできない→果てしない妄想の無限ループです。男子大学生の頭はそれしかないのか…という気も^^; 高校生の時も、廊下で紙玉野球をしたりプロレス技をかけ合ったりしている男子達をよく見かけましたが、その延長を大学時代になってもやってるという感じの4人の面白くも悲しい物語w
話の雰囲気は全然違うのですが、下宿に集まってつるんでる様子が、「ハチクロ」を思い出させたりして…。森田つながりもあるしw ハチクロの森田も突飛な人でしたね…妄想というよりは行動の方が変でしたが。

「邪眼」「まなみ号」「夢玉」などの個性的なモチーフに、妄想に身もだえる人間の小ささを空から睥睨する太陽の塔。 想像もしないような視点が楽しめました^^現実と妄想の境目が曖昧な書き方もユニークでした。妄想に頻繁に現れる叡山電車は森田にとっての銀河鉄道なのでしょうか。

男同士のむさ苦しく厚い友情や、水尾さんをはさんで対立する遠藤とのほろ苦い友情など、男性なら「うんうん分かるよ…」というところが多いのでは?私には想像するだけですが。でも、とにかく濃いですね。キャラも空気もw
あと、「Gキューブ」あれ、ほんとなのでしょうか…。昆虫王国のくだりは、寒気がするほど笑えます^^;

クリスマスをファシズムと決めつけ、敵視するあまり起こした「ええじゃないか騒動」は、ささやかな反乱という感じで微笑ましく楽しいですね^^
最後に水尾さんとのキラキラした思い出を反芻してる森田に、ちょっぴり「がんばれ」と言いたくなりました。

チルネコさんのように京都在住、もしくは京都出身の皆さんには、ますます身近に感じられて楽しめるでしょうね。
私も万博公園に行ったことあるし、鴨川の等間隔に並ぶカップルもこの目で見たことありますw その時のことを思い出しながら読みました^^

次のモリミーはやっぱり「夜は短し歩けよ乙女」ですね~。