ソロモンの犬  道尾秀介

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カラスの親指」を買ったものの、まだ「ソロモンの犬」を読んでなかった…やっぱ順番にだよね~と思って本書から読み始めました。積読にもほどがありますね^^;

道尾さんの作品は、「向日葵の咲かない夏」からで、もうこれが衝撃の作品でした。そのあと「シャドウ」という流れだったので、どちらかというと心理的にコワイ作品を書く人、というイメージでしたが、ここのところ明るめの作品が多いですね。特にこの「ソロモンの犬」は秋内と間宮のおとぼけキャラが秀逸な青春小説&ミステリーです。
 
犬はなぜ急に道路に向かって走り出したのか?が最大の謎で、動物生態学がそれを解明します。メキシコドクトカゲを無造作に机の上に置いてる間宮、おもしろすぎます^^オービーのえさについてのくだりには爆笑しました(笑) 
女性の気持ちを動物生態学で判断したり、わらしべ長者をまじめに実践したり…学者ってこれぐらい物事を追求する姿勢が大事なんでしょうか(笑)ぜひこれからの作品にも登場させてほしいです。

秋内の妄想爆走キャラもいいです。妄想で事件が複雑になって、妄想で解決、みたいな。智佳に普通に話しかけることも難しく、「話しかける言葉メモ」まで作るとか、純情路線一直線ですね^^;

でも、この話はある意味京也が主役かなあと。事件の謎を解くことは、京也の謎を解くことにもつながっていくからです。
根本の部分は深刻なんだけれど、二人のキャラが強烈なのと、あちこちにある語呂合わせが脱力系なので、深刻になりきれないんですね^^;ホラーサスペンスの方が道尾さんの持ち味がよく出てる気がするのですが、こういう路線もまあ、ありかもですね。間宮がまた出てくるならこの路線しかないですけど(笑)