グラスホッパー  伊坂幸太郎

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伊坂さんが書いたのでなかったら、読まなかったタイプの話だと思います。ハードボイルドが苦手なので。でも、登場人物の呼び名「蝉」「鯨」「スズメバチ」「槿」で、実在の土地が舞台でも、違う世界に迷い込んだような気分になります。

蝉と鯨、槿のキャラクターが印象的です。「罪と罰」をいつも持ち歩き、殺した人たちの幽霊に悩まされている鯨。自分は操られている人形ではないかという思いに捕らわれている蝉。不思議な存在感を持ち、人間をバッタの群集相になぞらえる槿。これに、ごく平凡な会社員でありながら、殺された妻の復讐をするために犯罪の世界に飛び込む鈴木が加わります。

殺し屋にも関わらず、彼らがそれほど悪人に見えないのは、抱えている人間らしい悩みや、確固とした信念がしっかりと描かれているからではないでしょうか。

web kadokawaに、この作品についての伊坂さんのロングインタビューが載っているのですが、それによれば「悪意」があるかどうかで人間性が決まるようです。「リスクのない暴力」(自分が有利なのが分かっていて行う暴力)や、言葉の暴力である「嫌み」を伊坂さんは特に嫌悪していて、それを作品の中で表したいという気持ちがあるそうです。「嫌みっていうものを発する必要性ってないじゃないですか。」という伊坂さんの言葉にはっとしました。

槿のところの2人の子ども達のことも心に残りました。彼らのことを書くだけで一つの物語になるんじゃないかと思います。

この作品と「魔王」が今マンガ連載中で、「魔王」の方にはなぜか蝉と鯨が出てきて、大活躍してるそうです。そういえばネットで「オーデュボンの祈り」のマンガが配信されてるとか…「終末のフール」もマンガ化されてます。それはそれで嬉しいことなんですが、マンガを読んでそれで満足~みたいになったら何か寂しいですね;;そういう私も「あさきゆめみし」読んで「源氏物語」を読んだ気になった1人ですが^^;
でも、原作にしかない良さって絶対あると思うので、マンガが先でもできるだけ原作にもふれていきたいです。



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僕も読みました。
内容はよかったと思いますよ。
本は自分で想像でしたり出来るんで、その点で、
僕は、マンガよりも、本のほうが好きですかね・・
遅れました はじめまして 削除

2008/9/7(日) 午後 6:03 [ - ] 返信する
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こんばんは。
私はハードボイルド的なものが好きなので、この小説も好きです。
それにしても、伊坂さんの小説に出てくるチャラクターは、実にユニークで、いつも驚かされます。 削除

2008/9/7(日) 午後 8:37 シーラカンス 返信する
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>ゲーマーさん
マンガの登場人物が自分のイメージと違ってるとがっくりしますね^^;最近読んだマンガでは「図書館戦争」(弓きいろ)のがイメージに合ってました。私もマンガより本の方が好きです。 削除

2008/9/7(日) 午後 9:09 ねこりん 返信する
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シーラカンスさん
ハードボイルドの殺伐とした感じが苦手なんですが、伊坂版ハードボイルドは、残酷な描写もあるものの、どこかに読者をほっと息抜きさせるような雰囲気もありますね。 削除

2008/9/7(日) 午後 9:13 ねこりん 返信する
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それぞれの名前が良かったですね^^確か、凄く性格の悪い女性が出て来ましたよね。それが強烈に印象に残ってます。伊坂作品の中では好きな方ではないのですが、面白さは抜群でした。 削除

2008/9/8(月) 午前 2:23 ゆきあや 返信する
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比与子ですね。性格悪いのに名前は「ひよこ」でかわいいのが…w
「オーデュボンの祈り」が一番好きなのですが、伊坂さんによると、「グラスホッパー」は「オーデュボンの祈り」と共通点が多いそうです。たとえば、変な人ばかりのところに普通の人が入っていく、とか。でも、読んでいるときには全く思いませんでした^^; 削除

2008/9/8(月) 午前 8:42 ねこりん 返信する
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この本は読んでないのです。ハードボイルド系なんですね。ふむふむ。
男性作家に時々見られると思うのですが、葛藤や憐憫の感情描写がないままに黙々と行われる暴力表現というのがものすごく苦手なんです^^; 伊坂作品にもそういう要素は時々見られるので、物によっては読むのがしんどいんですよね^^;;これはどうかしら~~~ 削除

2008/9/8(月) 午前 10:27 ラブリ 返信する
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ちょっと毛色の違う作品でしたが出てくるキャラたちは相変わらず、興味深い人が多かったです。「鯨」が特に印象的なキャラでした。
最終的には伊坂さんらしい作品になっていたと思います。
トラバさせてください。 削除

2008/9/8(月) 午前 11:18 [ テラ ] 返信する
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>ラブリさん
殺し屋達は、相手への憐憫の情は持っていないけれど、彼らなりに葛藤しているように思います。内面はよく描かれているので試しに読んでみてはいかがでしょう^^ 削除

2008/9/8(月) 午後 9:56 ねこりん 返信する
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>テラさん
コワイ人たちには間違いないんですが、なんだか気になるキャラなんですよね~。会うのはイヤですけど^^;
「魔王」のマンガを少し見ましたが、蝉も鯨もかっこよかったです^^ 削除

2008/9/8(月) 午後 10:04 ねこりん 返信する
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殺し屋小説なるものはぼくもこれが初めてだったと思いますw伊坂さんじゃなきゃぼくも読まなかったかも知れません。これはプロットうんぬんよりも、やっぱキャラのたち具合などがすごくよかったですよね^^魔王の方も読んでみたいな♪TBさせてくださいね☆ 削除

2008/9/9(火) 午前 0:49 チルネコ 返信する
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びっくりするような展開もあるけれど、やっぱり殺し屋達に注目しちゃう作品ですね。
ハードボイルド全般を受け入れられるわけではないけれど、伊坂版は
○でした^^ 削除

2008/9/9(火) 午前 8:19 ねこりん 返信する
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田中の言う、幻覚のサインで始まり、終わることから、私には、鈴木がアンダーグラウンドに迷い込んだように思えました。あちらの世界が現実かこちらの世界が現実かという面白さを感じました。
トラバさせてください。 削除

2008/9/11(木) 午後 0:19 金平糖 返信する
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伊坂作品って、現実からちょっと踏み越えてしまったような感じが特徴的ですね。
最期の駅のシーンで、子供たちとは会話できないまま終わるのでしょうか… 削除

2008/9/11(木) 午後 0:42 ねこりん 返信する
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語り手が順に変わっていく伊坂さんらしい手法で 「あるキング」「SOSの猿」とちょっとげんなりしていた時に 昔の作品に触れて やっぱおもしろいな~って再確認した感じです^^
(↑のねこりんさんのコメに対して) ホームにいた子供たちって 現実なのかな~~? 私はいつまでも続く回送列車 の件から 幻覚?って思ったんですが・・・ 削除

2010/6/30(水) 午後 11:48 tammy 返信する
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>tammyさん
私はあのシーンは、子供たちに早く声をかけたい鈴木の心情を表したものだと感じました。それで、列車が通り過ぎると子供たちの姿はすでにない…と続くのではと思っています。 削除

2010/7/1(木) 午後 7:09 ねこりん 返信する