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☆ 木の葉郵便にようこそ ☆

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私設図書館も容量オーバー、本の重さが堪える年になったので、最近は電子図書を愛用していますが、本と読書への愛情は変わらないねこりんです。ヤフブロからお引っ越ししてきました。

 

読書をこよなく愛する皆さん、また、このブログを見て興味を持って下さった方とお友達になれたらと思っています。

 

映画、日々の雑感等についても載せています。

 

よろしくお願いします^^

さよならの向う側 清水晴木

 

           

亡くなった人が生まれ変わる前に訪れる場所「さよならの向う側」

そこではマックスコーヒーを2本持った「案内人」が待っていて、最後の24時間に心残りがないように、最も会いたい人と過ごす希望を聞いてくれます。

しかし、それには条件があって、会えるのは亡くなったという事をまだ知らない人だけ。

大抵は家族や恋人に会いたいと希望する人が多いだけに、この条件は厳しいです。

でも、案内人は何とかその希望を叶えられるように、ヒントを出したり助けたりしてくれて優しいのです。

 

刊行されている2冊のうち、1巻めの中で特に好きなのは「放蕩息子」「わがままなあなた」、案内人の過去を描く「長い間」の3編です。ドラマ化された中でも、俳優さんの演技の素晴らしさもあり、心に残る作品になっていました。

 

「放蕩息子」

漆器作りの職人の家に生まれた山脇は、家業を継ぐ事なく家を飛び出し、何もなさずに酒の飲みすぎで亡くなります。

最後に会いたい人を案内人に聞かれたけれど思い浮かばず、DVDを返すのを忘れていたレンタルショップの店員を訪れます。そこでの会話が思いの外楽しく、それをきっかけに父親との思い出を思い出します。

案内人にそれとなく言われて、結局父親を訪れる事にしますが…

実家を訪れるまでの、案内人との少しすっとぼけた会話が楽しいです。案内人のペースに巻き込まれて自分のペースを狂わされる山脇の様子も笑えます。

なぜ山脇は父親に会えたのか…。

そして、父親が山脇のために残していた物が感動的です。

父親がかけてくれた言葉も胸を打ちます。

 

「わがままなあなた」

最初からいろいろと伏線のある作品です。それが回収された時、「そうだったのか!」と膝を打ちたくなるでしょう。

交通事故で亡くなった幸太郎は、会いたい相手として同棲相手の紗也加を選びます。

喧嘩して部屋を飛び出して来たため、紗也加はまだ自分が死んだ事は知らないはず…と思いながら。

幸太郎が使う言葉「毎日がエヴリデイ、幸せがハッピー」が心に響いて来る作品です。

 

「長い間」

今は「さよならの向う側」で案内人をしている谷口が人間として生きていた頃の物語と、案内人としての彼の思いが描かれます。

彼が最も会いたいと願う妻の葉子との幸せな日々、谷口の温かい人柄、マイペースで辛抱強い性格のおかげで案内人に選ばれる事になった経緯などが、ほのぼのとした筆致で描かれ、心温まります。

 

2巻目は1話目の「月の光」が素晴らし過ぎて、読み直す度に涙がこぼれます。

画家の大林は別荘で心筋梗塞で亡くなりますが、描きかけの作品の事が心残りでした。

1人でいる時に亡くなったため、まだ死の事は広まっておらず、一人息子に会うことも可能だと案内人に指摘されますが、彼は息子ではなく「パミリア」を選びます。

パミリアとは…。

ストーリーが2転3転し、そのたびに驚かされます。

その驚きには、胸を打つ感動が付いて来ます。

 

2巻めで「あれはどうなったんだろう」と気になっていた伏線もラストにはきちんと回収され、ホッとした気持ちで読み終わる事ができます。

 

作者さんから続きのストーリーがある事もお聞きしたので、とても楽しみです。

誰かに話したくなるキノコの不思議な世界 大海淳

              

 

大好きなきのこ本、久々に数冊購入。

図鑑系はもうたくさんあるので、写真が綺麗で読み物として楽しめるかを基準に選んでいます。

この本はその両方をクリア。

 

最初に可愛いイラストと共にきのこの基本について分かりやすく説明されているので、初心者にもいいです。

本編はきのこの生える樹林別にきのこが載っています。

実際にそのきのこを採集したり食べたりした時のエピソードも楽しく、似たきのことの見分け方なども、私が持っているきのこ本の中でもかなり写真が見やすい部類です。

写真が良すぎて毒きのこでさえ美味しそうに見えるのは困りものかも知れませんが。

素人に目の前で立派なマツタケを先に見つけられてしまった話は面白いです。

タマゴタケとハナイグチは、派手な色をしていますが、とても美味しいので有名な食箘です。いつか食べる機会があればなあと思います。

 

載っている種類は多くないので、フィールドワークには向かないかもですが、とにかく見て読んで楽しいきのこ本です。

 

飢渇の人 エドワード・ケアリー

             


アイアマンガー三部作で大ファンになったエドワード・ケアリー。

物に生命が宿るような作者の拘りと、作者直筆の少し怖く味のある挿絵も相まって、独特の世界観を構築しています。


これは日本で初めて編纂されたケアリーの初短編集です。

一作一作に彼らしさが詰まっていて、ケアリーの魅力に惹き込まれること間違いなしです。


全16編のうち、特に印象に残るのは、

「かつて、ぼくたちの町で」

巨大な豪華客船の建造に携わる人々が、船の魅力に魅入られて行く姿を、様々な視点から描いた作品です。

「もっと厭な物語」にも載っていた「私の仕事の邪魔をする隣人たちへ」

隣人を気にし過ぎる男がだんだんとエスカレートしていく様子が恐ろしいです。

「おが屑」

ギリシャ神話を元にした、お互いを心から大切に思う老夫婦の行く末は幸せだったのでしょうね。

「鳥の館」

鳥と機械でいっぱいの館を描いた、ケアリーの真骨頂と言える作品。

登場する大黒椋鳥擬という鳥は、実在の鳥だそうですが、何だか不吉な感じがして印象に残ります。

「パトリックおじさん」

超短編の中では特にユニークな発想が光ります。どれだけ奇抜な挿絵かと思うと、思いの外ノーマルなパトリックおじさんに笑ってしまいます。

「飢渇の人」

犀を心から愛するポールの、その愛情の物語。実在の人物だったとは驚きです。


短編集編纂にあたって、わざわざ書き下ろしてくれた作品もあるそうで、まだまだケアリーワールドには様々な住人が住んでいそうです。

次の短編集が早くも楽しみです。

エジソンズ・ゲーム 監督 アルフォンソ・ゴメス・レホン

                                     

 

カンバーバッチが発明王エジソンを演じた「エジソンズ・ゲーム」原題は「電流戦争」

直流を支持したエジソンと、交流を支持したウェスティングハウス(マイケル・シャノン)との戦いを描いたストーリー。

分かりにくいかと思いきや、思いがけず面白い作品でした。


実際安価で遠くまで電気を送れる交流の方が効率的で、こちらが現在の送電方法として選ばれているのだけど、ウェスティングハウスエジソンの発明した電球の素晴らしさは認めていて、手を組みたいと考えていました。

一方エジソンは、真っ向から対決する事しか頭になく、交流電気が危険で事故を起こしやすいと、動物実験を重ねる事で世間にネガティブな方向からアピールします。


偏屈なエジソンの性格が前面に出されて描かれているけれど、家族思いで妻や子供を大切にしているシーンもあり、意外な感じもしました。

 

また、儲かるからといくら周囲に言われても、絶対に兵器の開発に手を貸す事は拒否した彼の信念には心惹かれます。


エジソンは圧倒的なネームバリューで世間の支持を集めるけれど、交流方式を発明したニコラ・テスラウェスティングハウスと手を組んで事業を展開します。


ラストのエジソンウェスティングハウスの会話が心温まります。フェンスの例え話も良かったです。


エジソンは電流戦争には負けたけれど、そのあと映画(キネトスコープ)を発明したそうです。

エジソンに苦労させられたはずの助手のサミュエル(トム・ホランド)も、エジソンと一緒にいる事の面白さを語るシーンがあり、エジソンの頭の中には無限にアイディアが詰まっているんだなと確かにワクワクさせられます。


ベネさんは偏屈だけど才能溢れる天才を魅力的に演じていました。

当時の文化を表現したセットも美しく、見応えがあります。

取っ付きにくそうなテーマではあるけれど、一見の価値ありです。

ドクターストレンジ マルチバース オブ マッドネス 監督 サム・ライミ

        

 

久しぶりの映画記事。

ドクターストレンジ マルチバース オブ マッドネスを配信で観ました。

1は劇場で観たけれど、正直ラストのドルマムゥとの戦いが単調で眠くなりました。

小ネタに走り過ぎてテーマに一貫性がなかったのも問題だったと思います。


でも、今回はクリスティーンに去られたストレンジと、子供を取り戻したいワンダ(スカーレット・ウィッチ)の対決が愛を軸としたテーマだったので、一貫性がありラストまで集中して観ることができました。

アメリカ・チャベスマルチバース(多元宇宙)を行き来できるパワーを手に入れて、マルチバースを思いのままにする事で子供のいる世界を永遠に手に入れたいワンダ、どのマルチバースに行っても変わらずクリスティーンを愛し続けるストレンジが切なかったです。

昔の幸せだった頃の思い出が映し出されるシーンには号泣でした。

いつかはストレンジにも幸せになってほしいです。昔のストレンジとはたぶん違うはずだから…。

 

知的なベネさんにストレンジはハマリ役で、手から魔法を繰り出す姿もCGもパワーアップしていました。

音符を魔法に乗せて発するのがオシャレでした。


ソーサラースプリームにまで昇格したウォンが好きで、いい所でいつも助けに入ってくれるので安心して見られます。


1でも大活躍だったストレンジのマントちゃんは、気絶したストレンジをペチペチするものの起きないので自分でチャベスを助けに行ったり相変わらずの活躍で、可愛かったです。


マルチバースの扱いも分かりやすく、SF初心者でも楽しめるようになっていたと思います。


ラストの衝撃は次作への前フリなんだろうけど、なくても良かったかな。

 

にっぽん全国100駅弁 櫻井寛

              

今日は駅弁記念日だったらしい。

そんな日に読み終わったのがこの本です。

元々駅弁は大好きだけど、駅弁を旅の途中に食べる事はほとんどないです。

旅の食事は休憩を兼ねて落ち着いて食べられる店で食べたいので。

 

駅弁の良さは地域の名産が必ず入っている事と、パッケージを含め旅情が感じられる事。

だから、地元のスーパーなどで行われる駅弁フェアには必ず買いに行きます。

遠くに行かなくても楽しめるし、大規模なものだと、何十種類もの駅弁の中から選ぶ楽しみもあります。

毎回広告を見ながらにらめっこするのが恒例です。


広告から選ぶ時にはたいてい、肉系の弁当と海産物系の弁当とで悩むのですが、この本では様々な駅弁が取り上げられていて、一概に肉、海産物とは言えないのも魅力的なのです。


季節によって変わるおこわが入って、様々なおかずがぎっしりの「湖北のおはなし」は自分がいくつになっても飽きずに食べられそうな駅弁です。


野菜寿司など変わったご飯をメインにしていて、盛り沢山のおかずの龍馬弁も気になります。

 

チキンライスにたっぷりの唐揚げという、子供も喜びそうな東京駅の「チキン弁当」は50年以上前に発売になり、いまだに大人気だとか。


駅弁フェアではいつも悩む候補に入る「神戸のあっちっちステーキ弁当」付け合わせの野菜も、コーンや揚げポテトなどいかにもステーキで付いて来そうな物なのが良いですね。


海産物系で悩む北海道の駅弁 本では稚内の「最北海幸めし」でしたが、かに、イクラ、ウニは北海道の海の幸ベスト3だと思ってるので、これが揃って乗っていれば食べたくなるのも必然です。


作者の方は駅弁界では有名な方らしく雑誌に連載も持っておられるようで、その時同時に掲載されているのか駅弁漫画のワンシーンも共に載っているのがまた楽しいです。

地方の写真ともちろん駅弁の写真もとても魅力的で、駅弁の由来なども書かれていて読み物としても楽しいです。

駅弁好きの方全てにお勧めしたい本です。

化物園 恒川光太郎

              

ケシヨウという人を襲って食べる怪物が、現代や、過去の日本や海外、異世界など様々な場所に出没し、それと戦いまたは共存する人々を描いた作品です。


初めのうちはただ恐ろしいだけだったケシヨウが、別の話では人々を支え助ける事もあります。


ある話では不幸になるばかりだった主人公も、別の話では不幸な人生を経てはいても、最終的に幸せとまでは行かなくても生き延びて自分なりの生き方を見つける事もあり、どうなるかは最後まで読んでみなくては分かりません。

 

このうち、「猫どろぼう猫」のみ「猫ミス!」で既読でした。


特に印象的だったのはラスト2編の「日陰の鳥」と「音楽の子供たち」です。


前者は、過去の遠い国で不思議な力をもつ子供たちがケシヨウに集められ、高い土地で共に暮らします。

それなりに平和に暮らしていた彼らですがそのうちに政変が起き、それぞれがある決意を迫られます。


後者は、音楽の才能を持つ子供たちが外界と完全に隔離された場所で謎の存在に音楽を聴かせる事で生活します。

「術理」と呼ばれる魔法で閉ざされた箱を少しずつ開けて行く事で新しい物を手に入れたり世界が開けて行ったりする様子は、ブラッドベリの短編(萩尾望都さんも漫画化されてた)「びっくり箱」を彷彿とさせます。


だんだんとグレードアップする異世界度が実に恒川さんらしく、初めの方の作品が「ケシヨウが出現するだけの作品」になっているのも恒川さんの仕掛けだったのだなあと思わされました。


久しぶりに読んだ恒川さんでしたが、その世界観を堪能する事ができて大満足です。