2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

クライム・マシン  ジャック・リッチー

2006年の「このミス」で海外部門第一位をとった作品です。その評価通り、軽妙洒脱なクライム・ストーリーに、思わず「おもしろ~い!」と声に出してしまったくらいです。 一つ一つのアイディアが巧妙で、どんでん返しや、オチの意外さ、皮肉さが効いてます。…

重力ピエロ  監督 森淳一

街に描かれる謎のグラフィティアートと、その近くで起きる放火事件。それに巻き込まれる兄弟と、家族の絆を描いた作品です。 「人間を決定するのは遺伝か環境か?」とても重いテーマなのですが、原作はそれを空中ブランコのように軽やかに描いてみせます。映…

9の扉

次の作家さんにお題を渡して、それにちなんだ物語を書いてもらうリレー短編集です。作風に一癖ある、個性的なメンバーが揃っています。 作品ごとに字体が異なっているのがユニークです。装丁もタイトルに合わせた感じです。 「くしゅん」 北村薫 北村さんら…

フリーマーケットにて

先日大規模なフリーマーケットに行ってきました。真っ先に行ったのは当然古本コーナーです。 あるビルの1,2階で行われていたのですが、1階が雑誌、2階が一般書でした。雑誌はほとんどが10~20円です。雑誌コーナーでは「文藝」の恩田陸さん特集を購…

西瓜糖の日々  リチャード・ブローティガン

共同体「アイデス(iDEATH)」に住む人々の暮らしを淡々とした筆致で描いた幻想小説です。全体は大きく3編に分けられ、その中の章は短く区切られていて、物語のイメージも相まってまるで詩を読んでいるようです。 アイデスにある多くの物は西瓜を煮詰めて…

都市伝説セピア  朱川湊人

「花まんま」を読んでもっと朱川さんの作品を読んでみたいと思い、デビュー作にして直木賞の候補に挙げられたこの作品を読んでみることにしました。どの作品も、底知れない怖さと悲哀に満ちていて、これがデビュー作であることに改めて驚きを感じました。 実…

掘り出し物

きのう、ちょっと遠出して行ったことない古本屋に行ってみました。いろいろと掘り出し物を見つけたので、写真入りで紹介しちゃいます♪ 駅の名店街にある小さな古本屋で、新古書店では絶対出てなさそうな本を見つけました。 今はなきサンリオSF文庫の「最新…

9月に買った本

今週、ほんと本が読めませんでした;;この休みに少しは読みたいものです。 そういうわけでレビューじゃなく最近買った本について。すべて古本です。 まずは単行本から。 ・9の扉 個性派作家さんを揃えた、リレー形式の短編集です。殊能さん、鳥飼さんの作…

花まんま  朱川湊人

昭和30~40年代の大阪を舞台にした、すべて子供が主人公のちょっと不思議な短編集です。朱川さんはこの本で直木賞を受賞しています。 読むときっと誰でも自分の子供時代の様々な思い出が浮かぶことでしょう。大人の複雑な事情に関わったり翻弄されること…