2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

眠れなくなる夢十夜

漱石の「夢十夜」が発表されてから100年が経ち、それを契機にして企画された小説新潮の連載をまとめた作品集です。漱石と同じように「こんな夢を見た。」で始まっています。でも私は、漱石の「夢十夜」は読んでいないんですよね…。でも、今回の作品集を読…

Rのつく月には気をつけよう  石持浅海

大学時代からの飲み友達、湯浅と長江、熊井の3人は、誰か一人ゲストを呼んで、長江の部屋で飲み会を開くのが恒例です。「悪魔の頭脳」と呼ばれる切れ者の長江が、食べ物に絡んだゲストの話から、日常の謎を解き明かします。 各話に出てくる、お酒と肴の組み…

地球の長い午後  ブライアン・W・オールディス

チルネコさんのところで感想を読んだあと、「これ買ってなかったっけ…。」と私設図書館を探してみると、ありました。嬉しくなって速攻読むことにしました^^ 地球の自転が止まり、半面は昼に、もう半面は永久の夜になった世界。放射線が強まった太陽の下で…

トンコ  雀野 日名子

表題作は日本ホラー小説大賞短編賞受賞作です。収められている三作とも、哀切さの漂う作品です。 「トンコ」 食肉用豚であるトンコは、運搬用のトラックが横転する事故で脱走します。トンコには、以前にいなくなった兄弟達のにおいや、声が感じられるのです…

カリブ諸島の手がかり  T・S・ストリブリング

アメリカ人の心理学者であるポジオリ教授が難事件を解決する中短編集です。 世界探偵小説全集の一冊で、ラストの「ベナレスへの道」の衝撃でかなり話題になった作品ですが、高いので買えませんでした;;でも、いつの間にか文庫になっていたんですね。訳者が…

六つの手掛り  乾くるみ

大道芸のプロモーターをしている林茶父が、殺人の謎を鮮やかに解く、正統派パズラーの連作短編集です。 ダリかマグリット風のシュールな表紙がユニークだし、各編の頭に数字がついていてそれが一つずつ減っていくという趣向も、何かありそうという予感がしま…

レッドクリフ part1  監督ジョン・ウー

三国志は登場人物と簡単な図式くらいしか知らない無知な私ですが、CMで見る映像美に魅せられ、wowowであった放映を録画しておいたのですが、やっとそれを見ることができました。 本編前の三国志の説明部分は日本で独自に付け加えたそうです。前にTVでジョ…

海外文学の愉しみ

皆さんは海外文学は好きですか?私は小学生時代から海外物のミステリ&SFに親しんで来たので、いまだに海外物を買う方がわくわくした気持ちになります。 読むスピードは圧倒的に国内物の方が速く、海外物は作品にもよりますが2,3倍の時間がかかるように…

少年たちのおだやかな日々  多島斗志之

中学生が主人公の、全く穏やかじゃないブラックな短編集です。 単行本の時はとても爽やかな感じの装丁で、内容とのギャップに読む人を驚かせたらしいです。 「言いません」 同級生の母親の浮気現場を見てしまった則文は、その母親につきまとわれることに…。 …

美女と竹林  森見登美彦

美女と竹林をこよなく愛する森見さんの随筆集です。帯にもありましたが、エッセイというより、随筆という方がこの本には合っていますねw 青々と美しく生え揃った竹林は風情があり、特に京都の景色にはなくてはならないように思います。でも、一度植えるとあ…